沖縄・翁長知事急逝 奄美からも追悼

2018年08月10日

政治・行政

対馬丸慰霊碑に献花する翁長知事=2017年11月26日、宇検村宇検

対馬丸慰霊碑に献花する翁長知事=2017年11月26日、宇検村宇検

 「奄美と沖縄の交流を進めてこうという矢先での訃報。残念でならならない」「戦争に反対する沖縄の人としての気持ちを強く感じた」「沖縄県民の側に立って行動した」。沖縄県の翁長雄志知事の急逝から一夜明けた9日、奄美でも追悼の言葉が聞かれた。知事と接した人々は昨年、翁長知事が実施した対馬丸慰霊碑への献花や奄美・沖縄交流拡大事業キックオフイベントなどに言及、早すぎる別れを惜しんだ。

 

 奄美市の朝山毅市長は昨年11月、沖縄県が主催した奄美・沖縄交流拡大事業キックオフイベントに触れ、「これから両地域のさらなる交流の推進、飛躍への思いを共有し、翁長知事の熱意を感じていたところだった。大変残念です」とコメントを寄せた。

 

 宇検村の元田信有村長は知事の対馬丸慰霊碑への献花に言及。「知事というよりも戦争に反対する沖縄の人としての気持ちを強く感じた。政治的な信念を貫く一方で周囲への気配りも忘れない。これから奄美と沖縄の交流を深めていこうというなかでの訃報に衝撃を受けた」と述べた。

 

 同村宇検集落の川渕哲二元区長(71)は「知事が対馬丸慰霊碑を訪れたときは大雨だったが、真っ先に住民のもとに歩み寄り、感謝の言葉を掛けてくれた。知事の訪問は予想外で建立に携わった者としてありがたかった。突然の訃報に悲しみを抱いている」と話した。

 

 奄美在住沖縄県人会の上原幸三郎顧問(68)は「沖縄の抱える矛盾を公の場所に出し、県民の側に立って行動したことは大きな功績。米軍基地問題は普天間の目の前にある危機の解消が最重要。日米安全保障条約の在り方も含めて、国民全体で理解を深め、問題解消に向けて前進できること望む」と述べた。