災害廃棄物処理計画策定へ 豪雨、台風、巨大地震を想定 群島内10市町村

2019年11月23日

政治・行政

 

災害廃棄物処理計画の策定に向けて具体策を検討する各市町村の担当者ら=22日、奄美市名瀬

災害廃棄物処理計画の策定に向けて具体策を検討する各市町村の担当者ら=22日、奄美市名瀬

 奄美群島内10市町村は2019年度、災害廃棄物処理計画の策定を進めている。地震や水害、台風などの自然災害に伴う廃棄物の迅速な処理を目指し、発生する廃棄物の量を試算し、処理の流れや仮置き場の設置などの対策を定める。災害協定に基づく国、県、他の自治体や民間事業者などとの協力体制も盛り込む。各市町村で来年2月ごろまでに計画案をまとめ、20年度に策定する方針。

 

 昨年9月の台風24号の影響で建物などが損傷し、1カ月半にわたってごみ処理ができなくなった喜界町クリーンセンターの被害を受けて、環境省九州地方環境事務所が群島内の計画策定を支援するためワーキング会議を設置。和泊、知名両町を除く各市町村の担当者らが策定作業を進めている。

 

 計画では各市町村が地域防災計画に盛り込んだ過去の豪雨災害や台風、今後予想される巨大地震などを想定し、具体的な廃棄物の処理対策を盛り込む。

 

 奄美市名瀬の同市社会福祉協議会会議室で22日、第3回ワーキング会議があり、各市町村の担当者が出席。同事務所側から計画に盛り込む内容について説明を受けて、災害ごとに発生する廃棄物の量や、必要な仮置き場の面積を試算し、廃棄物を分別して処理する作業の流れを検討した。

 

 九州地方環境事務所は今後、各市町村で災害廃棄物の処理が困難な場合を想定して、島間での支援や本土への輸送など広域的な枠組みを検討していく。

 西元昭一郎・災害廃棄物対策専門官は「自分たちで処理できることを判断した上で、広域的な支援につなげる。逃げ場のない外海離島の島民の生活と自然環境の保全を図りたい」と述べた。