生徒から鋭い質問相次ぐ 大島北高で市長ふれあい対話 奄美市

2025年03月13日

政治・行政

大島北高校の生徒から安田壮平市長に対しさまざまな質問があった「市民と市長のふれあい対話」=12日、奄美市笠利町

奄美市の安田壮平市長と市民との意見交換会「市民と市長のふれあい対話」が12日、同市笠利町の県立大島北高校(有川美智代校長)であった。高校生との対話は昨年12月の県立奄美高校、今年1月の県立大島高校に続いて3校目。生徒からは島の医療、教育、観光開発など多岐にわたる分野で鋭い質問があり、安田市長が丁寧に返答していた。

 

ふれあい対話は安田市長の公約の一つ。市民の意見を反映することを目的に2022年度から実施している。今年度は4~11月に市内各地で毎月(1日2会場)開催し、9月は奄美情報処理専門学校、11月は大阪でも開いた。

 

大島北高では1、2年生108人が参加。前半は安田市長が講話し、市の総合計画「未来の奄美市づくり計画」について説明。自身のルーツは笠利町の佐仁にあるとも語り、島の自然や文化、歴史、人と人とのつながりの濃さは宝だと強調した。

 

後半は生徒からの質問があり、2月に自身のインスタグラムの乗っ取り被害にあった安田市長はその時の気持ちを「びっくりしたし、焦って何も手につかなくなった」と回顧。生徒らにSNS(インターネット交流サイト)のセキュリティー強化を強く推奨した。

 

島内に産婦人科が少ないことについては「地域の個人病院も閉じていっている中、医療体制を守っていくことは課題」とし、医師会と話し合いの場を設けることや、妊婦を対象とした市の新年度の制度拡充についても説明した。

 

笠利町の認定こども園設立に伴い、保育所が集約されると幼少期に集落の文化を継承できなくなるという懸念については、保育士不足などの背景を説明し、小学校の郷土学習をはじめ、行政と地域が連携して取り組んでいくと話した。

 

そのほか、笠利町節田地区の高層ホテル建設計画や自然環境、教育などに関する質問があり、バスの料金補助や増便、遊べる場所を増やしてほしいなどの要望が上がった。

 

生徒会副会長で2年生の中万喜人(なかまきと)さん(17)は「市の計画でeスポーツに取り組むというのがあり、私個人ゲームが好きなので推していってほしい。市に対して疑問に思うこともあったので、直接お話が聞けてもやもやが解消された」と話した。