生物多様性戦略、県が中間報告
2019年04月04日
政治・行政
2014年度から23年度までの10年間を計画期間とする生物多様性鹿児島県戦略の中間評価結果がまとまった。数値目標を掲げた取り組みのうち、奄美群島の認定ガイド数などが目標を達成した。アマミノクロウサギの死亡減(保護)など課題もあり、県は今後の戦略推進へ、庁内の関係部署間の連携や市町村、民間などによる自主的活動の強化などが重要とした。
戦略策定から5年後の節目に当たり、生物多様性保全のための具体的な数値目標を設定した10項目の進捗(しんちょく)状況と、基本目標に掲げた「新たな自然と共生する社会の実現」達成への行動計画(21項目)の取り組み状況を評価した。
数値目標を設定した取り組みをみると、「18年度までに50人」を目標とした奄美群島エコツーリズム推進協議会の認定ガイド数は85人に達した。県土面積に対する自然公園の指定割合(23年度までに14・4%)も奄美群島国立公園指定(17年3月)を受けて18年3月で13・4%に上った。
一方、23年度の年間目標を2匹に設定しているアマミノクロウサギの死亡個体確認数(交通事故や他の動物による食害)は17年度で54匹。「生物多様性」という言葉の県民認知度(目標80%)も、18年5月の調査時点で37%にとどまった。県は「取り組み方策の再検討や工夫、改善などへの努力が必要」としている。
基本目標達成への行動計画に関しては▽環境教育・学習▽多様な生態系の保全・回復▽生物多様性に配慮した観光の振興―など15項目について「おおむね順調」とした。世界自然遺産登録を目指す奄美地域の取り組みでは「お年寄りの世界自然遺産サポーター委嘱」などを今後の戦略的な取り組みに位置付けた。
中間評価の内容は県のホームページでも閲覧できる。