症状に応じた体制構築へ 鹿児島県、感染者増見据え

2020年04月07日

政治・行政

感染者の医療機関への受け入れ体制など、今後の方向性を話し合った調整本部初会合=6日、鹿児島市

感染者の医療機関への受け入れ体制など、今後の方向性を話し合った調整本部初会合=6日、鹿児島市

 県は6日、新型コロナウイルス感染症調整本部(本部長・地頭所恵県くらし保健福祉部長)の初会合を鹿児島市の県庁で開いた。感染者の大幅増に備え、関係機関が連携して病床の確保や感染者の受け入れ、搬送体制の調整を図る。会合では重症者への適切な医療提供に向け、感染者の大多数を占める軽症者への対応などについて検討していくことを確認した。

 

 本部は3日付で設置。県の担当部局や民間医療機関の関係者など20人で組織する。会合では県が同感染症の現状を報告。引き続き、出席者による意見交換(非公開)が行われた。

 

 県では国の指針に基づき、感染者を軽症者、中症者、重傷者と分類しており、出席者は病床やスタッフが限られる中での適切な医療提供に向けた対応などを話し合った。

 

 県内の感染症指定医療機関は13施設で、感染症病床は45床。地頭所本部長によると、感染者の大幅増に伴う病床の不足で、指定医療機関での受け入れが困難となることも予想されることから、重症者への対応を優先するため、感染者の約8割を占める軽症者を、指定医療機関以外の医療機関で受け入れることについても意見が寄せられたという。

 

 同本部は今後、具体的な取り組みについて、有識者による専門部会の意見も踏まえて検討していく。

 

 出席者の川村英樹鹿児島大学病院准教授は「感染者の8割は軽症者であり、軽症者の受け入れは医療機関での負担が大きくなる」と述べ、重症者への医療提供の側面から、軽症者のケアに対する検討の重要性を示した。

 

 県によると、5日現在のPCR検査総件数は406件で、陽性が確認されたのは3人。県内では3日現在で、35医療機関に「帰国者・接触者外来」が設置されている。