脱炭素化の施策事例共有 計画策定へ、素案を協議 世界自然遺産活用PF

2023年10月06日

政治・行政

地球温暖化防止活動実行計画(区域施策編)の素案について協議した奄美市世界自然遺産活用プラットフォームの2023年度第2回会合=5日、奄美市役所

奄美市世界自然遺産活用プラットフォーム(PF、公民連携会議)の2023年度第2回会合が5日、市役所会議室であった。年度内策定を目指す「地球温暖化防止活動実行計画(区域施策編)」に関して、事務局が素案を報告し、内容を協議。有識者による講話もあり、エネルギーの生産方法転換や効率的な消費を通じた脱炭素社会実現への施策事例を共有した。

 

同PFは、世界自然遺産登録効果を地域振興につなげることを目的とし、22年5月に設立。コアメンバー(会議の委員)の任期は1年間。23年度は座長の西村知鹿児島大学法文学部教授をはじめ、市や市議会、商工、電力、建設各業界、地域団体の関係者計10人がコアメンバーを務める。

 

23年度のテーマである同計画(区域施策編)は、二酸化炭素など温室効果ガス排出量の実質ゼロ「脱炭素社会」実現へ向けた官民の取り組み推進が目的。地域全体の温室効果ガス削減を図る具体策や目標数値を示す考えだ。

 

5日に示された同計画の素案は主に▽計画策定の背景及び意義▽本市の地域特性▽温室効果ガス排出量及び吸収量の現況と将来推計▽温室効果ガスの排出・吸収の量に関する目標▽温室効果ガス排出削減等に関する対策・施策▽計画の推進│の6章で構成されている。

 

素案に関連して、コアメンバーの国立研究開発法人産業技術総合研究所主任研究員・歌川学氏が「奄美市の脱炭素転換と地域発展」の題で講話。再生可能エネルギー(再エネ)や省エネルギー(省エネ)普及を想定した光熱費の試算を示し、経済的な利点を訴えた。

 

素案と歌川氏の講話を踏まえ、出席者は「再エネや省エネを地域住民にどう周知し、浸透させていくか」について協議。「新築時や家電購入時、省エネ製品の情報提供に注力すべき」「暮らしと電力消費の関係性などを数値化すれば、もっと分かりやすいのではないか」といった意見が上がった。

 

23年度は4回の会合を予定し、第3回は来年1月。素案にコアメンバーらの意見を反映させ、計画の具体的な内容を固めていく。