観光価値創出、満足度向上へ 公民連携会議が提言 世界自然遺産活用PF 奄美市

2025年02月27日

政治・行政

馬場武座長(右)が提言書を安田壮平市長に提出した奄美市世界自然遺産活用PF=26日、奄美市名瀬

世界自然遺産登録の効果を最大限に生かす方法を協議する公民連携会議「奄美市世界自然遺産活用プラットフォーム(PF)」(座長・馬場武鹿児島大学法文学部講師)の2024年度第3回会合が26日、奄美市役所であった。これまでの議論の成果を提言書としてまとめ、安田壮平市長に提出。自然と人や人同士のつながりを深める「関係性の構築」を支援する施策を市に求めた。

 

同PFは、民間事業者や一般市民を交えた意見交換の場として、22年5月に設置された。毎年異なるテーマで地域振興に向けた方策を検討し市に提言している。

 

24年度のテーマは「世界自然遺産を目的とした来訪者の満足度向上」。住民や観光客、地域資源やコミュニティーなどが互いに関わり合うことで新たな観光価値が生まれ、来訪者の満足度向上にもつながるとの考えをまとめた。

 

これを踏まえ、①世界自然遺産と来訪者②世界自然遺産と奄美市民の営み③奄美市民と来訪者④奄美市民と観光従事者と来訪者│の四つの関係性を構築する施策の実施を提言。

 

具体的には▽来訪者を環境保全活動の当事者とみなして役割を与える▽自然と人々の営みが一体となっている奄美特有の価値を住民に共有する▽来訪者に集落行事の担い手になってもらう▽観光従事者は住民と来訪者をつなぐ役割を担う│などを盛り込んだ。

 

提言書を受け取った安田市長は「意見(提言)に基づく取り組みや事業、政策を増やしていけるよう頑張っていきたい」と話した。

 

馬場座長は「民間と行政が共創し、非常に連携がとれた会議だった。テーマを超えて、世界自然遺産と共に歩む人々がどのように未来に向かうか、大きな議論ができた」と振り返った。

 

提言書の内容は3月中に同市ホームページに掲載予定。