長谷川司令が着任 「任務完遂と地域連携」強調 陸自奄美駐屯地

2023年08月02日

政治・行政

着任式で隊員らを巡閲する長谷川健新司令(左から3人目)=1日、奄美市名瀬の陸自奄美駐屯地

奄美市名瀬の陸上自衛隊奄美駐屯地で1日、長谷川健(はせがわたけし)司令(46)=1佐=の着任式があった。参列した奄美駐屯地と瀬戸内分屯地(瀬戸内町節子)の隊員ら約170人を前に「いかなる事態が生起しても即応し、必ず生き残り任務を完遂できる、そして奄美の方々から信頼される奄美警備隊を一緒に作り上げていこう」と訓示した。長谷川司令は奄美駐屯地と瀬戸内分屯地に合わせて約340人が配備されている奄美警備隊の隊長も兼務する。

 

訓示で長谷川司令は「現在、わが国は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している」と述べ▽災害派遣活動▽中国など近隣国の情勢▽政府が安保3文書で示した南西諸島の防衛強化方針▽日米連携▽宇宙領域などに置ける対処能力の強化―など、奄美を取り巻く環境の重要性を説明。任務遂行に向けた隊員一人一人の練度向上や、地域との密接な連携の必要性を強調した。

 

長谷川司令は石川県出身。2000年防衛大卒(第44期通信)。同年、第20普通科連隊(山形)入隊。03年から中央業務支援隊付(東京)として東京工業大学大学院で研修し、08年同大学院工学博士課程を修了。第1空挺団高級幕僚(千葉)などを歴任した。前任は陸上幕僚監部C4I部情報課基盤情報班長(東京)。

 

着任式は荒天のため体育館で開催。長谷川司令の訓示後、整列する隊員らの前を敬礼しながら歩き、部隊の様子を確認する「巡閲」があった。

 

着任は1日付。今回の異動に伴い、前司令の日髙正暁1佐は防衛省陸上幕僚監部統括副監察官に就いた。