防災に意見相次ぐ 川の土砂除去、避難所対応 奄美市 市民と市長のふれあい対話 

2022年12月18日

政治・行政

地域防災などについて多くの意見が寄せられた「市民と市長のふれあい対話」=14日、奄美市名瀬の朝戸集会場

奄美市の安田壮平市長と住民との意見交換会「市民と市長のふれあい対話」が14、17の両日、奄美市名瀬の2会場であった。14日は朝戸集会場であり、古見方地区を中心に住民29人が参加。同地区は過去に浸水害などの自然災害があり、少子高齢化も進んでいることから、地域の防災課題や、定住促進の方策などについての意見や要望が相次いだ。

 

意見交換会は地域ニーズや課題の把握に努め、まちづくりに反映させる目的。今年7月に住用町、11月には笠利町でも開催した。

 

初めに安田市長が、今年度の市の主要事業などについて説明。「今後も新型コロナ対策に力を入れつつ、『稼ぐ地域づくり』を最優先で取り組んでいきたい」と抱負も述べた。

 

意見交換では防災面に関し、「小湊の山田川の底に砂が堆積し、水の流れが悪い」「大川ダムが増水時に放流する際のタイミングなど、地域に対し、そういう情報が共有されないと不安」「砂防ダムから川下へ土砂が流れ、川のカーブの所で、人力では対応できないほど堆積している」といった意見が寄せられた。

 

避難所についても具体的な事例を紹介しながらペットの対応や、毛布、水、食料などの備品整備を求める声があった。

 

安田市長は「把握できていなかった危険な場所なども教えてもらった。まずは現場を見た上で職員と話し合い、時間がかかるものもあるが、できることからやっていく」などと答えた。

 

地域活性化に向けては▽公営住宅の整備▽休所となっている古見方へき地保育所の建物活用▽フワガネク遺跡の保全・活用▽オーシャンハイウェイ構想(奄美大島北部から中南部を結ぶ海岸線バイパス)の実現―などの要望があった。

 

また大川小・中の児童生徒の保護者が同校の学童について「支援員の募集が進まず、来年度以降の存続が危うい。学童がなくなると児童生徒の減少を招く可能性もある」などと訴えた。

 

安田市長は「喫緊の課題。福祉政策課と協議して支援員を探すためにどういう手助けができるか、早めに検討し、しっかり報告する」と話した。

 

17日はAiAiひろばでも開催された。市民協働推進課によると、名瀬上方地と下方地区での開催は、年明けを予定している。