離島振興の必要性訴え 塩田知事が初登庁 コロナ対策、国の給付金活用

2020年07月29日

政治・行政

県職員に出迎えられ登庁する塩田知事=28日、鹿児島市の県庁

県職員に出迎えられ登庁する塩田知事=28日、鹿児島市の県庁

 【鹿児島総局】12日の県知事選で初当選した塩田康一知事(54)が28日、鹿児島市の県庁に初登庁した。就任会見に臨んだ塩田知事は、新型コロナウイルスで影響を受けた中小企業や零細企業の事業継続への資金確保策として、国の持続化給付金の活用促進などを掲げた。地域の実情を踏まえた県内の離島振興の必要性を訴え、新規作物の導入による農業振興や生活基盤の整備、他地域との格差是正に取り組む姿勢を示した。

 

 塩田知事は「県内の離島は地域によって特色や課題が異なる」とした上で、収益性の高い農作物の導入や輸送コスト削減による農業振興、人的交流の促進に向けた空港や港湾整備などの必要性に言及。財源と向き合いながら振興策を検討していくと述べた。

 

 また、「今回の新型コロナ禍の中で、リモート(遠隔操作技術)を活用してさまざまな取り組みができたのではないか」と語り、離島の情報通信基盤の現状や拡充の方向性を踏まえ、教育格差や医療格差の解消に取り組む姿勢を示した。

 

 今秋の鹿児島国体延期決定後、新たな開催時期が決まっていないことに関し、「これまで準備をしてきた関係者の思いも踏まえ、何とか鹿児島で開催してほしい」と述べた。延期に伴う関連予算支出など負担増にも対応する考えだ。

 

 県庁東側を予定地とする新総合体育館の建設計画については「場所ありきの印象が否めない」と指摘し、県民の意見も踏まえた議論の必要性を強調。建設候補地に隣接する土地購入についても、時間をかけて必要性を検討する考えを明らかにした。

 

 九州電力川内原発1、2号機の稼働延長に対する考え方としては、県民投票の実施も検討する。3号機増設は「今はその時期ではない」と述べ、凍結の方針を示した。

 

 塩田知事は28日午前、県職員らの大きな拍手に出迎えられて登庁。県庁講堂であった就任式では「県政で、職員の皆さんは私の先輩。上下の隔てなく、積極的にアイデアを出し合いながら、より良い県政のために頑張っていこう」と呼び掛けた。