風邪症状の救急要請減 コロナ保健所対応影響か 大島地区119番概況

2021年01月19日

政治・行政

119番通報を受理する通信指令室=大島地区消防組合消防本部(資料写真)

119番通報を受理する通信指令室=大島地区消防組合消防本部(資料写真)

 大島地区消防組合消防本部がまとめた2020年の119番通報概況によると、管内(奄美大島と喜界島)では前年より261件少ない5439件を受理した。このうち救急要請は3436件(前年比208件減)。発熱など風邪の症状での救急要請が減っており、新型コロナウイルス感染疑いの事案対応を保健所が担ったことなどによる影響とみられる。通報手段は携帯電話が2510件(同168件増)と最多で、全体の半数近くを占めた。

 

 通報内容は▽救急3436(同208件減)▽火災51件(増減なし)▽救助54件(同14件増)▽警戒調査100件(同27件増)▽ドクターヘリ連携158件(同5件増)▽重複245件(同35件増)。

 

 緊急以外では▽いたずら44件(同7件増)▽病院照会3件(同3件減)▽問い合わせ232件(同22件増)▽119番試験291件(同38件減)▽通報訓練275件(同91件減)▽間違い226件(同78件減)─のほか、苦情など「その他」324件(同47件増)があった。

 

 同消防本部通信指令課によると、新型コロナ関連の保健所対応で消防への救急要請は減り、問い合わせが増えた。また台風10号の影響で警戒調査が増え、住民意識の向上により間違い通報は減少。コロナ禍での防災訓練自粛に伴い、119番試験や通報訓練も減った。

 

 通報手段は▽一般電話1791件(同193件減)▽IP電話670件(同32件増)▽携帯電話2510件(同168件増)─など。18カ国語に対応する「多言語システム」や会話せずに通報できる「NET119」の利用はなかった。

 

 今後も増加が見込まれる携帯電話からの通報について、同課は「固定電話と比べて通報場所の特定に時間を要する。通報者は市町村名や現場近くの目印まで伝えるよう心掛けてほしい」と呼び掛けている。出動状況は音声案内ダイヤル=0997(57)3111、同(57)3112=で確認できる。