駐車スペース移動検討へ 金作原の利用状況など報告 試行ルール変更の方針を共有 奄美大島利用適正化連絡会議
2024年06月29日
政治・行政
奄美大島利用適正化連絡会議の会合が28日、奄美市名瀬のアマホームPLAZAであった。認定ガイドの同行や車両台数制限などを設けた試行ルールを2019年2月から導入している金作原国有林(同市名瀬)について、利用状況や取り組みを報告。課題を踏まえ、駐車スペースを移動するなどルールの変更を検討していく方針を共有した。
同連絡会議は、奄美の世界自然遺産登録に伴う観光需要の増加を見据え、対象地域(主に金作原)の適正な利用を促進することを目的に16年度から実施。環境省や林野庁、県、奄美市や自然保護団体、観光団体などで構成する。この日は関係者約40人が出席した。
利用規制の試行ルールは、環境への負荷を軽減し質の高い自然体験を提供することが目的で、▽車両1台に付き認定ガイド1人の同行▽同じ時間帯におけるガイド車両の利用台数は8台以下▽貸し切りバスは2台以下▽駐車時間は1回120分以下─などがある。
会合では、同連絡会議事務局が金作原の利用状況を報告。今年5月3~6日に実施した調査では、4日間で計60台の車両、395人(ガイド含む)の利用があった。駐車台数8台を超過し、9台駐車されている時間帯が3回確認された。このほか適正利用に向けた取り組みも紹介。外来植物の拡散防止のため、今年度中に金作原のゲート前に種子取りマットを設置するとした。
ルールの将来的な方向性として、駐車スペースをゲート前から林道知名瀬線と市道奄美中央線が合流する三差路に移動する案を共有した。ゲート周辺の車両の出入りは、安全面や道路交通法上の課題があることが主な理由。
三差路に設けられた奄美市管理地には現在、貸し切りバス2台と同行するガイド車両2台が駐車できるが、それ以上の台数を収容するには面積が足りない。同連絡会議事務局は、三差路の駐車スペース確保を検討し、隣接地の伐採・造成が可能かどうかも含めた議論を関係団体と進めたい考えだ。
出席者からは「利用を制限し自然を休ませる期間を設けたらどうか」などの提案があった。バス事業者らは周辺のあい路について「バスで通行するには安全面に不安がある」とし、別地点で小さい車両に乗り換えるなど対応策を求める意見も上がった。