駐車場にブルーゾーン設置 龍郷町
2019年12月15日
政治・行政
龍郷町はこのほど、町内の公共施設6カ所に「ブルーゾーン・思いやり駐車場」を設置した。障がいのある人や高齢者、妊婦など合理的配慮を必要とする人のための優先駐車場。町担当者らは「その場所を必要とする人がいるということを一人一人が自覚し、民間にも取り組みが広がっていけば」と期待した。
ブルーゾーンは奄美大島5市町村でつくる奄美地区地域自立支援協議会(会長・石神康郎奄美市福祉政策課長)が推進する取り組み。公共施設や店舗への優先駐車場設置を推奨するとともに、目に付く「思いやり」の形として共生社会の実現を広くアピールする狙いだ。
鹿児島県は2009年に身障者専用駐車場の対象者へ利用証を交付するパーキングパーミット制度を実施しているが、利用者からは「専用駐車場の設置や一般への周知が十分でない」「身障者専用という名称のため対象者である高齢者や妊婦などが申請しにくい」などの指摘もある。
ブルーゾーンはあえてルールを厳格にしないことでドライバーの良心に訴える形だ。町保健福祉課の牧正二郎主事(40)は「困っている誰かのために開けておく場所だということを知ってもらいたい」と語った。
龍郷町は2020年東京五輪・パラリンピックで台湾のホストタウンに登録されており、来年は卓球のパラリンピック選手らとの交流事業も予定している。
町身体障害者協会の榮康博会長は「来年は『かごしま国体・かごしま大会』もある。共生社会の実現に向けて行政も民間もそれぞれが動き出す年にしてほしい」と訴えた。
同協会は9月3日付で三反園訓鹿児島県知事へパーキングパーミット制度の名称変更などの要望書を提出しており、県は1月30日までに回答するとしている。