5年ぶりに対面で総会 観光の連携テーマに講演も 奄美・やんばる広域圏交流推進協 徳之島町

2023年07月26日

政治・行政

約80人が出席した奄美・やんばる広域圏交流推進協議会の総会と、両地域が連携した観光の可能性について講演する観光庁の星明彦氏=24日、徳之島町

【徳之島総局】奄美・やんばる広域圏交流推進協議会の総会が24日、徳之島町のホテルで開かれた。国、県、奄美群島12市町村、沖縄北部12市町村の関係者ら約80人が出席して交流を深めた。両地域の関係者が一堂に会しての総会は5年ぶりで、世界自然遺産登録後では初めて。講演会もあり、観光庁観光政策調整官の星明彦氏が、両地域が連携した新しい観光の可能性について提言した。

 

同協議会は古くからつながりの深い奄美とやんばるの交流推進のために1999年7月に設立し、今年で24年目。総会は2018年に名護市で開かれて以降、悪天候や新型コロナウイルス禍の影響で中止や個別開催が続き、5年ぶりの対面開催となった。

 

今年度は役員改選があり、会長に奄美群島広域事務組合管理者の安田壮平奄美市長、副会長に北部広域市町村圏事務組合理事長の渡具知武豊名護市長が就任した。任期は2年間。

 

開会あいさつで渡具知市長は、21年7月に実現した奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島の世界自然遺産登録に触れ、「奄美と共に自然遺産を生かした観光や農業などの主産業の振興、持続可能な地域づくりを推進したい」と呼び掛け、安田市長は「奄美群島としては今後もやんばるとの交流を促進しながらお互いの地域振興につなげていきたい」と応じた。

 

星氏は「ポストコロナの観光政策と持続可能な地域経済社会づくり」と題して講演。「今後は観光で得られた利益を地域の雇用や生活の質の向上に生かすなど、地域の持続可能性を高めることが重要」と説明し、「伝統的な生活様式や風景、民芸などを大切に引き継いでいる奄美・沖縄にこそ日本の勝ち筋がある。日本の新しい経済社会モデルをつくっていこう」と呼び掛けた。

 

今年度の事業計画では12月に与論町で開催する「ヨロン・おきなわ音楽交流祭」の開催などを承認。総会後は交流会があり、琉球舞踊や伝統芸能、島唄などのステージで来島者をもてなした。