8年ぶり、ハザードマップ更新 奄美市
2021年03月02日
政治・行政
総合防災ハザードマップの更新作業を進めていた奄美市は1日までに、冊子版とウェブ版をそれぞれ作成、運用を開始した。冊子版は土砂や浸水などの災害リスクが一目で分かるよう、警戒区域をまとめて表示したほか、個人の避難行動計画「マイ・タイムライン」などの教養資料を組み込み、各種機能を拡大強化。ウェブ版は全地球測位システム(GPS)で避難所までの距離が表示できる。市は「地域や学校、家庭などで活用してもらい、一人一人が適切な避難行動を取るためのきっかけにしてほしい」と話した。
ハザードマップ更新は8年ぶり。2010年10月の奄美豪雨から10年の節目を機に、測候所や警察、消防など関係機関の助言を得ながら、改定作業を進めてきた。
冊子版はフルカラーB4判、65㌻。前回は「津波編」「土砂・洪水編」の2種類に分けていたが、今回は同一の地図上に津波浸水想定区域や土砂災害警戒区域を落とし込んだ。高齢者や色覚障がい者らが見やすいよう、濃淡や網掛けなどで判別できるデザインを用いた。
さらに奄美豪雨など、過去の洪水で浸水した区域も表示。総務課危機管理室の奥伸太郎室長は「改修工事が進んでいるため、再び浸水するとは一概に言えないが、防災対策の参考にしてもらえたら」と話す。
冊子前半にはマイ・タイムライン作成資料をはじめ、避難行動判定フロー、感染症対策などの各種情報を盛り込んだ。
ウェブ版は1日に市ホームページで公開された。「津波」「土砂災害」「洪水」「消防水利」の4分野に分け、いずれも地図と航空写真に対応。拡大縮小機能や印刷機能、英語表記などを追加した。
GPS機能を使えば、市内の指定避難所や避難場所までの距離が表示できる。奄美大島全域の災害警戒区域も掲載しており、土地勘のない旅行者らの安心材料になりそうだ。防災情報は今後も随時更新していく。
冊子版は今月上旬から各家庭や公共施設へ届ける。希望者には3総合支所窓口で配布する。
問い合わせは、電話0997(52)1111奄美市総務課危機管理室へ。