「離島の燃油価格是正を」 3年ぶり群島議員大会

2022年05月11日

政治・行政

3年ぶりに開かれた群島議員大会=10日、奄美市名瀬

第63回奄美群島市町村議会議員大会(群島市町村議会議長会主催)が10日、奄美市名瀬の市民交流センターであった。新型コロナウイルスの影響で2年間中止となり、2019年以来、3年ぶりの開催。「離島地域での物価高、燃油価格差の是正」など国や県に要望する議題5件を採択。新型コロナ収束に向けた感染防止策や、奄美群島振興交付金の充実・拡充など18項目を決議した。

 

12市町村の議員や首長、議会事務局職員ら約180人が出席。出席者は1席ずつ間を空けて着席するなど、感染防止策も図った。

 

あいさつで群島市町村議会議長会の前田豊成会長(龍郷町)は「3年ぶりの開催は喜びにたえない。奄美群島の振興発展と、地域住民の福祉向上に役立つ意義深い大会にしよう」と呼び掛けた。安田壮平奄美市長の歓迎あいさつ、出席した国会議員3人、地元県議会議員3人の国政・県政報告もあった。

 

議題は離島の物価高、燃油価格差の是正のほか▽国道58号(奄美市住用町役勝~網野子トンネル起点間と、勝浦~阿木名間のトンネル化)の改良促進▽島外治療の交通費助成▽徳之島地区の病床数増床▽サトウキビのハーベスター利用助成金の創設。

 

奄美市提出の物価高と燃油価格差の是正については、「島民や販売者の自助努力だけでは解消できない課題」と指摘。離島でのガソリン流通コスト対策事業の助成額と油種の拡充などを求めている。

 

徳之島3町提出の病床数増床は、計画されている徳之島徳洲会病院の新築移転に伴い、同院の病床数を現在の199床から250床へ増床を求める内容。提案者は「(群島内の他の島と比べて)徳之島は極端に病床数が少ない。医療格差是正のために特段の配慮を」と訴えた。

 

奄美市議会の西公郎議長が「群島の自立的で持続可能な発展と、地方創生による地域活性化を目指し、市町村議会として地域住民・行政と一体となって推進する」との大会宣言案を読み上げ、採択された。

 

大会では自治功労表彰もあった。被表彰者は次の通り。(敬称略)

▽議会議長6年以上在職 喜島孝行(宇検村)、永野利則(和泊町)▽議員10年以上在職 喜島孝行(宇検村)、吉永常明(同)、元井直志(瀬戸内町)、秋田浩平(天城町)、久田高志(同)、桂弘一(和泊町)、中田隆洋(同)、髙田豊繁(与論町)、林敏治(同)

▽議会事務局職員5年以上在職 元原克也(伊仙町事務局長)、福永勝人(知名町前事務局長)