奄美にPCR検査機器導入へ 県立大島病院

2020年06月18日

政治・行政

PCR検査機器が導入される予定の県立大島病院

PCR検査機器が導入される予定の県立大島病院

 県は、奄美市名瀬の県立大島病院を含む五つの県立病院に、PCR検査機器を整備する。17日発表の6月補正予算案に事業費を計上した。奄美大島内の新型コロナウイルス感染症疑いの患者から採取する検体を、県本土に搬送することなく島内で検査することが可能になる。

 

 導入される予定の検査機器は、従来の複雑な工程と熟練の検査技師でないと運用が難しい機器とは異なり、操作が比較的簡単なのが特徴。適用される試薬が国に承認されたこともあり整備が決定した。

 

 同病院への導入は1台で、一度に4検体(1~4人分)の検査が可能。約1時間ほどで結果が出る。県立病院課によると、1日の運用可能人数は通常の受診から検査までの流れを想定すると、1日に4人程度だという。予算額は約700万円。

 

 これまでは、奄美群島にある各帰国者・接触者外来で採取された検体は航空機や船舶で県本土の検査機関に運ばれ、結果が出るまで2~4日かかっていた。県立大島病院に導入されることで大幅な時間短縮が可能になる。ただし、検査が可能なのは同病院を受診する患者で、他の機関から運ばれた検体のみの検査は原則行わない。機器は外国製で、県に入荷次第配備される。

 

 PCR検査機器については、15日に奄美大島の5市町村長でつくる新型コロナウイルス感染症対策本部会議(会長・朝山毅奄美市長)が三反園訓知事に対し、「台風接近時は交通手段が絶たれる」として配備を求める要望書を提出していた。