振興開発「継続的な支援重要」 奄振法延長へ準備、内容検討 斉藤国交相が奄美大島視察

2023年11月14日

政治・行政

塩田康一知事や地元市町村長から奄美振興に関する要望が上がった斉藤鉄夫国交相との意見交換会=12日、奄美市笠利町の県奄美パーク

奄美群島日本復帰70周年記念式典出席のため11日に奄美大島入りした斉藤鉄夫国交相は12日、島内の公共施設の整備状況や民間事業者の取り組みを視察した。2023年度末で期限を迎える奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)の延長について、斉藤国交相は「まずは法の延長に向けて準備を進めるとともに、沖縄との連携などの新たな観点を盛り込むことができるよう、改正の内容についてさらなる検討を進めていきたい」と話した。

 

奄振法の延長を控え、地元の振興開発状況などを確認することが目的。国交相が奄美大島を訪れたのは、5年前の奄振法改正に向けた島内の振興開発状況視察で、19年に来島した当時の石井啓一国交相以来。

 

奄美自然観察の森を視察する斉藤鉄夫国交相(右から2人目)=12日、龍郷町の奄美自然観察の森

12日は龍郷町の奄美自然観察の森や奄美市の奄美漁業協同組合など4カ所を訪問した。奄美市WorkStyle Labでは、移住・定住促進に取り組む事業者と意見交換や観光関連事業者のワークショップを視察。自然観察の森、奄美漁協では各担当者から、環境保護・保全に関する取り組みや沖縄への水産物への出荷状況について説明を受けた。

 

奄美市笠利町の県奄美パークでは施設の整備状況を視察後、塩田康一知事や奄美群島12市町村の首長と奄美の振興開発について意見交換会があり、塩田知事が斉藤国交相へ奄振法の延長や奄振予算の確保、充実に関する要望書を提出。会は冒頭を除いて非公開で行われた。

 

視察、意見交換を終え会見した斉藤国交相は「奄美群島の素晴らしい自然、長年継承されてきた独自の文化を肌で感じることができた。振興開発とともにこうした自然文化を次世代に継承していくことの重要性を改めて認識した」と語った。

 

また、地理的、自然的な条件から人口減少や高齢化などのさまざまな課題を抱えている奄美群島の振興開発には継続的な支援が重要との考えを示し、「国土交通省としては今回の視察でいただいたご意見も踏まえ、県、地元市町村と連携し、引き続き奄美群島の発展により一層努力をしていきたい」と強調した。