瀬戸内分屯地で輸送訓練 米オスプレイや陸自ヘリ飛来 日米共同訓練

2023年10月24日

政治・行政

患者役の隊員を担架に乗せ、米オスプレイへ向かう陸自隊員ら=23日、瀬戸内町節子の瀬戸内分屯地

陸上自衛隊と米軍による共同訓練「レゾリュート・ドラゴン(RD)23」は23日、瀬戸内分屯地(瀬戸内町節子)で陸自の大型輸送ヘリコプターや米オスプレイによる輸送訓練を行った。同分屯地と高遊原(たかゆうばる)分屯地(熊本県)や米軍嘉手納(かでな)基地(沖縄県)を結ぶ陸自物資、患者役隊員の輸送を実践。訓練は24日も行われ、陸自オスプレイ1機が高遊原分屯地から瀬戸内分屯地へ飛来する。

 

RDは島しょ防衛を想定した国内最大規模の日米合同演習。今回は九州・沖縄の部隊を束ねる西部方面隊が主体となり、初めて奄美や沖縄でも訓練が行われている。19日には陸自オスプレイ1機が飛行ルートの確認などのため、瀬戸内分屯地に飛来した。

 

午前10時30分ごろ、陸自の大型輸送ヘリCH47が嘉手納基地から瀬戸内分屯地ヘリポートに飛来。積載品搬出後、同11時30分ごろ高遊原分屯地へ向け出発した。瀬戸内分屯地からの積載品は無かった。

 

午後2時ごろには、嘉手納基地から米海兵隊普天間飛行場所属のMⅤ22オスプレイ1機が着陸。陸自隊員がフォークリフトを使用し、陸自補給品を機体後部のハッチから大型トラックへ積み替えた。陸自によると、補給品はすべて分屯地内へ運搬され、島内の公道は輸送訓練に使用していない。補給品の中身は保全上の理由から非公開となった。

米オスプレイ機体後方ハッチからフォークリフトを使用し輸送物資を搬出する陸自隊員ら=23日、瀬戸内町節子の瀬戸内分屯地

搬出を終えた午後2時半ごろ「戦闘で負傷し、医療設備が充実した地での治療が必要」と仮定した陸自隊員1人が担架に乗せられ、同機に運び込まれた。同機は午後2時40分ごろ離陸、嘉手納基地へ向かった。米オスプレイ1機は午後6時ごろにも瀬戸内分屯地に飛来。補給品を下ろし、同6時半ごろに嘉手納基地へ向かった。

 

陸上幕僚監部広報室などによると、訓練は負傷者が発生し、物資補給も必要となった離島の状況を想定。米輸送機による陸自物資・隊員輸送の実践を通じ、日米間と、さらに衛生、兵たんを担う各部署間の相互運用性を高めることが狙い。米オスプレイは昨年の日米共同訓練でも瀬戸内分屯地に飛来したという。

 

瀬戸内町によると23日午後5時前時点で、訓練やオスプレイなどの飛行に関する住民からの問い合わせは寄せられていない。