県、工事概要や日程説明 おがみ山バイパス事業 奄美市名瀬

2024年02月29日

政治・行政

県による工事概要説明や周辺住民との意見交換があったおがみ山バイパス工事説明会=27日、奄美市名瀬

交通渋滞の緩和や災害対応の強化などを目的に、奄美市名瀬で進められている国道58号おがみ山バイパス事業について県は27日夜、同市名瀬のAiAiひろばで工事説明会を開いた。名瀬永田町側の住民約50人が参加。県の担当者が工事の概要やスケジュールを説明し、工事への理解を求めた。

 

おがみ山バイパス事業は2002年度に事業着手したが「地元の合意形成が不十分」などとして09年度から中断。18年に市が県へ整備促進を要望し、市が行った未買収地地権者への意向確認調査で約9割から賛同を得られたことなどを理由に、19年度から事業を再開している。

 

バイパスの総整備区間は名瀬永田町│名瀬平田町の総延長約1・8キロで、このうち名瀬永田町と名瀬真名津町を結ぶトンネルは延長1225メートル。トンネル出入り口側からそれぞれ約300メートルの取り付け道路を整備する計画で、今回は永田町側の道路改良工事に着手することから説明会を開いた。

 

県大島支庁建設課によると、永田町側のトンネル出入り口に向かう道路は、末広通り交差点の南約60メートルの地点から6%の勾配がある。永田町から久里町へ続く市道古里8号線は、トンネルへ続く道路の下を立体交差で通行する構造となる。

 

今回実施する工事箇所は、永田川に架かる上之岸橋からトンネル出入り口へ向かう延長約80メートルにある市道古里8号線と永田川の2カ所。市道側には車道用、河川側には下部が水路用、上部は車道用として箱形のコンクリート構造物(ボックスカルバート)を整備する。工期は市道側が24年2月~同年11月、永田川は24年3月~25年3月を予定している。

 

着工後は久里町にある県職員寮前の市道、上之岸橋から下流側の永田川両岸の計3カ所は車両通行止めとなる。工事では上之岸橋から県職員寮に向かう迂回(うかい)路も整備する。

 

意見交換では参加者の一部から工事による振動、騒音を懸念する声が上がったものの、工事に反対する意見はなかった。

 

真名津町側の道路改良工事は昨夏から始まっており、永田町側は説明会後に着工。トンネル本体工事は24年度にも開始する。県大島支庁建設課の増田貴文課長は「安全を第一に工事を進める。ご理解、ご協力をお願いしたい」としている。