運用に向け協定締結 自動運転技術開発2社と 年明けに公道で実走実験へ 伊仙町

2022年09月02日

政治・行政

分室立ち上げで来島したオートモビリジェンス研究所のスタッフ=8月31日、伊仙町伊仙

【徳之島総局】伊仙町はこのほど、自動運転技術を開発する2社と研究開発に関する連携協定を結んだ。契約期間は3年。運転免許を持たない人も利用できる無人自動運転自動車の開発と町内での運用を視野に実証実験に取り組む。大久保明町長は「革新的な技術開発に協力できて町としても誇らしい。運転できない人も移動に困らない社会を実現したい」と期待した。

 

同町と協定を結んだのはNTTデータ(東京都江東区)と同社グループのオートモビリジェンス研究所(横浜市)。同町が提唱する「高齢者・障がい者向けの自動運転パーソナルモビリティ導入事業」が7月13日に内閣府と国交省が推進する「未来技術社会実装事業と連携した自動運転サービス導入支援事業」に選定されたことを受け、連携へ向けて準備を進めていた。

 

協定の調印式は8月8日、東京都江東区のNTTデータ本社であり、同社製造ITイノベーション事業本部の杉山洋本部長と大久保町長が協定書を取り交わした。同研究所は旧徳之島農業高校にあるサテライトオフィスに分室を構え、常駐4人体制で実証実験を開始する。

 

分室立ち上げのために来島した同研究所の渡辺政彦副社長(60)は「オフィスだけでなくグラウンドも利用でき、実験にうってつけの場所だった」と伊仙町を選んだ理由を説明し、「年内は敷地内でデータを収集し、年明けには公道での実走実験に入る。世の中に役立つ技術を開発することはわれわれ研究者の夢。交通弱者のいない社会を実現したい」と意欲を見せた。