「『知りたい』軸に行動を」 元海外協力隊の浅尾さん講話 奄美市

2024年02月20日

地域

エクアドルでの活動経験などを語った元青年海外協力隊の浅尾朱美さん=18日、奄美市名瀬

独立行政法人国際協力機構九州センター・JICAデスク鹿児島主催の異文化体験イベントが18日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)であった。青年海外協力隊として南米エクアドルで活動経験のある宇検村の浅尾朱美さん(36)が講師となり、自身の体験を基に「より深く『知りたい』と思うことは何かを考えて行動してみて」などと語った。

 

イベントは海外協力隊ボランティア経験者の講話を通し、多くの人に国際協力や国際理解について知ってもらう目的。奄美市内外から約30人が参加した。

 

浅尾さんは大阪市出身。2012年9月から2年間、青年海外協力隊としてエクアドルで環境教育の普及に取り組み、経験を生かしたいと15年に宇検村地域おこし協力隊として奄美大島へ移住。現在は同村湯湾でカフェと宿泊施設を経営している。

 

浅尾さんはエクアドルの気候や食生活、協力隊としての活動内容を説明したほか、現地で広く使われるスペイン語に「知る」という意味の言葉が「saber」「conocer」の2種類あると紹介。

 

知識や情報として知っていることを指す前者に比べ、後者は実体験で知っているという意味合いがあると述べ、「自分が知っているものでも、もっと深く知りたい、経験してみたいと思えるものは何か考えて行動してみて」と語った。

 

会場ではエクアドル産のコーヒーが振る舞われ、来場者は豊かな香りや味を楽しみながら国際協力へ理解を深めた。友人同士で参加した奄美高校2年生の森元智恵さん(17)、城音羽さん(17)は、「協力隊の派遣の仕組みを知り、自分にもチャンスがあるかなと興味が湧いてきた」「個人の活動が周囲に良い影響を与えていくことに感銘を受けた」とそれぞれ話していた。