「奄美大島住用」国交省重点道の駅に
2019年03月29日
地域
奄美市住用町の国道58号沿いにある道の駅「奄美大島住用」(黒潮の森マングローブパーク)が1月30日付で国土交通省選定の重点「道の駅」に選ばれ、鹿児島市の県庁で28日、選定証の伝達式があった。県内の道の駅が選定されるのは初めて。設置自治体の奄美市は増加傾向にある外国人観光客(インバウンド)の対応で、パーク内への世界自然遺産センター整備を視野に観光拠点化や外国語スタッフ配置、免税店の併設などを図る。
重点「道の駅」は、新たな観光拠点の形成や周辺地域の風景との連携など、自治体が提案した地方創生の核となる企画を同省が審査し、選定する。選定された施設は、社会資本整備総合交付金を活用した駐車場や休憩施設整備など、ハード整備で通常の道の駅より手厚い財政支援を受けられる。本年度は全国で15カ所、九州地方整備局管内では3カ所が選定された。
「奄美大島住用」の企画概要は▽奄美大島唯一の道の駅として島内観光・道路情報の提供やサービス向上▽国立公園に指定され、世界自然遺産登録を目指す同島で増加する外国人観光客対応への機能充実―の二つ。
具体的には、免税店設置や外国語対応スタッフの配置などによるインバウンド対応のほか、▽民間と連携した体験プログラムの発掘とガイド育成▽リュウキュウアユの人工ふ化や、河川での産卵床造成、天然アユの観察会開催―など、マングローブ原生林と隣接する環境を生かした取り組みを進める。
県庁で選定証の伝達を受けた朝山毅奄美市長は「施設がある住用地区は世界自然遺産の核になる地域。施設の機能を拡充し、国内外の観光客に奄美の素晴らしさをPRしていきたい」と述べた。
選定証を伝達した国土交通省九州地方整備局鹿児島国道事務所の武藤聡所長は「クルーズ船観光や航空路線の拡充で今後も観光客増が想定される。重点道の駅選定で、奄美大島を訪れる人々に魅力を発信してほしい」と期待した。
マングローブパークについては昨年3月、環境省が奄美・沖縄の世界自然遺産登録を見据え、世界自然遺産センターを整備する方針を明らかにした。