よりよい「連携」考える 多職種の情報交換、課題共有 南部地区子ども支援net

2025年01月11日

地域

支援を必要とする子どもやその家族への支援について協議した南部地区子ども支援net=10日、瀬戸内町

障がいがある子どもやその保護者の支援策などを協議する「2024年度南部地区子ども支援net」が10日、瀬戸内町のきゅら島交流館であった。瀬戸内町や宇検村、大和村を中心に保健福祉行政、学校、医療、福祉事業所などから50人余りが出席し、現場の課題や情報を共有。意見交換もあり、よりよい連携の在り方を考えた。

 

子ども支援netは奄美地区地域自立支援協議会の子ども部会が主催し、多職種の支援者らが意見や情報を交換する場。奄美大島の中部、南部、北部の3地域に分かれて毎年開催し、関係者同士の顔の見えるネットワークづくりを推進している。

 

研修では、児童の発達臨床心理学が専門の鹿児島大学大学院の高橋佳代准教授が「感情を調整する力とその発達とその支援」と題してリモート形式で講演。感情が起こる仕組みを説明し、マイナス感情を調整する三つの対処として▽回避型▽問題焦点型▽再評価型―があると紹介。「マイナスな感情の制御は、養育者の手助けによって立て直してもらう経験が重要で、子どもの感情調整能力は、制御・調整されることで初めて身に着く」と呼び掛け、ポジティブな感情の共有の大切さも述べた。

 

後半は、出席者がそれぞれの職種や立場で感じている課題を共有し情報を交換。「子どもだけでなく保護者の支援も大切」「療育を受ける子どもの数が増えているが相談支援員が増えていない」「人材不足、人材の高齢化、専門性の向上、他機関との連携が課題」などと活発に意見を出し合った。