キビ収穫終了祝う 恒例の「クヤウリー」 喜界町志戸桶
2024年04月21日
地域
喜界島の志戸桶集落で18日、今期のサトウキビ収穫が終了した農家らの懇親会「クヤウリー」(小屋下り)があった。同集落の東部と南部の2地区に分かれ、それぞれの地区公民館で開催。いずれも関係者など約50人が参加し、今期の製糖状況などを振り返るとともに、来期への鋭気を養った。
クヤウリーとは、製糖小屋で黒糖作りをしていた時代に作業の無事と慰労、来年の豊作を願う製糖終了祝いの呼称。毎年、キビ生産農家を中心に集落から多くの人が参加している。
午後4時ごろに始まった会では冒頭、出席した糖業関係者(生和糖業、町役場、農協、喜界運送)があいさつし、今年の製糖期間にあった出来事や製糖の成績評価を報告。参加者は、次年度に向けた課題への取り組みなどを共有した。
また、会場には、この日のために準備されたヤギ(両地区ともに午前中にヤギ2匹を町と畜場にて処理)を、大鍋で時間をかけて調理、辺りには香ばしい香りが漂っていた。
志戸桶東部地区の中山勇区長(74)は「豚やヤギの肉や内臓、血液を材料に炒め煮込むカラジューリなど伝統的な料理を楽しみしている人たちも多く、製糖シーズンの疲れを癒やし、次への活力にもなっている」。南部地区の向井康治区長(59)は「キビ農家の慰労と集落の親睦を深める大切な場。地域の伝統料理を若い世代が引き継ぐ機会でもあり、今後も続いてほしい」と話した。