先人の思い次世代へ 日本復帰から67年 奄美市でつどい コロナ対策で規模縮小
2020年12月26日
地域
「日のみはた/今ぞわが手に/島山の/朝はあけたり」│。奄美群島の日本復帰から67年の25日、奄美市役所で「日本復帰記念の日のつどい」が開かれた。先人が刻んだ歴史のバトンを受け継ごうと、復帰運動経験者から戦後世代の一般市民、小・中学生まで約60人が出席。群島一丸となった無血の民族運動に思いをはせ、地域の発展に決意を新たにした。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、規模を縮小して開催された。
奄美群島は戦後約8年間、米軍統治下に置かれた後、1953(昭和28)年12月25日に日本復帰した。旧名瀬市議会は96年、同日を「日本復帰記念の日」として制定している。
今年の会場は復帰運動の中心の地として知られる名瀬小学校から、向かいの市役所に変更。出席者や時間も縮小した。名瀬中2年の盛こころさん(14)が司会を務めた。
朝山毅市長は「先人の血のにじむような努力に思いをはせ、次の時代に語り継ぐことは私たちの誇りであり、責務でもある」とあいさつした。
生徒代表の金久中2年、有田翔海さん(14)は曾祖父の復帰運動体験に触れながら「当時を知る人も少なくなり、私たちの記憶も記録の中のことに頼りつつある。今の私たちにできるのは、先人が守った美しい奄美を守り続け、発展させること」と訴えた。
「日本復帰の歌」「朝はあけたり」の2曲と、名瀬小6年による「断食悲願」の詩の朗読は、新型コロナ対策のため録画映像で紹介。式典の模様はインターネット中継された。