千年松が看板で蘇生 奄美市名瀬朝仁地区
2020年07月14日
地域
長年、奄美市名瀬朝仁地区のシンボルとして親しまれ、松枯れのため2年前に伐採された「朝仁の千年松(リュウキュウマツ)」が看板などの木材製品として生まれ変わった。市役所で13日、朝仁町内会(屋村賢良会長、425世帯、約830人)へ看板の贈呈式があり、屋村会長(72)は「大切に後世に残していきたい。住民に喜ばれる形で再利用されることになり、うれしく思う」と感謝した。
千年松は樹齢230年、幹周り3・8メートル、高さ13メートルの大木で、神社がない名瀬朝仁地区で「神松木(カンマチギ)」と呼ばれ、1978年には旧名瀬市の保存樹第1号に指定された。
しかし、老齢化で松枯れが進み倒木の危険性が高まったため、住民に惜しまれる中、2018年6月に切り倒された。伐採で出た木材は製材され、看板、ベンチ、いす、なんこ台など6製品に加工。市内小・中学校や市老人福祉会館などで活用されることになった。
朝仁町内会の看板は長さ約150センチ、高さ約55センチ。重さ34キロの重量感と木目の美しさが特徴で、「朝仁町内会」の文字は朝山毅市長が揮ごうした。朝仁児童館の舞台に設置する予定。
朝山市長は「朝仁の歴史を眺めてきた千年松。いつまでも愛していただき、歴史の語り部としてつむいでほしい」と呼び掛けた。