地域課題解決へ挑戦者を応援 よろん産業まつり 高校生ら12人がアイデア発表
2025年03月09日
地域

結果発表・表彰式で登壇する「ワイたんDAY!よろん産業まつり」アワードの発表者=2月23日、与論町
地域課題の解決や人材育成を目的とした与論町の「ワイたんDAY!よろん産業まつり2025」(与論イノベーんちゅ創出実行委員会主催)は2月22、23の両日、町福祉センターで開催された。両日とも延べ約120人が来場。地域課題解決のアイデアや事業計画のコンテスト「アワード」、パネルディスカッション、チャレンジマルシェなどを通して、課題解決に取り組もうとする挑戦者を応援し、町の未来や可能性を考えた。
昨年まで開催していた「イノベーんちゅAWARD」の名称を変え、内容を充実させて初開催。「アワード」では高校生や一般の10組12人が発表。島の植物を使った民具作りワークショップ開催や民具の写真集制作を提案した福山徳子さんがグランプリに輝いた。
パネルディスカッションは2部構成。前半は連携協定を結ぶ与論町の田畑克夫町長、鹿児島大学の岩井久副学長、清水建設の井上和幸代表取締役社長が登壇。「人からも自然からも選ばれる持続可能な与論島の実現に向けて」をテーマに討論し、3者それぞれの取り組みや同テーマ実現に向けた思いを語った。
町独自に取り組む海洋教育「ゆんぬ学」発表会では、地元の高校2年生2人と中学2年生1人がそれぞれ赤土流出の現状と対策、女子サッカーの活性化をテーマに調べたことを発表した。
後半のパネルディスカッションでは「与論で行う探究的な学び(ゆんぬ学)実践の今と未来」をテーマに、島内外の有識者や教諭、出身者ら5人が意見を交わした。
ゆんぬ学の実践効果について、与論高校の猶木香奈教諭は「生徒が与論についての学びを深める機会が増えた。生徒が島の課題を解決するために島外へ学びに行こうと思えるのは、ゆんぬ学そのものの効果では」、町海洋教育推進協議会の光俊樹副会長は「『アワード』の発表もそうだが、子どもたちが自己表現をこれだけできるのは、海洋教育の効果と感じている」と語った。
ゆんぬ学の充実に向けて、与論高校卒業生で大学生の川畑光麗さんは「受験の強みになる。中高生がせっかくのチャンスをつかめるよう、主体的に取り組めるような工夫を」、与論中学校の小水流斉弘教諭は「中学、高校6年間のつながりを持たせられないか。本当に調べたい、知りたい問いを自分で立てるところから始められたら」などと提言した。
同センター前では、両日を通して「チャレンジマルシェ」が開催され、地域課題解決に資する取り組みに挑戦している9個人・団体が飲食、小物販売や展示で参加した。