奄美でフライトナース誕生 県立大島病院
2019年03月14日
地域
県立大島病院(奄美市名瀬)で、ドクターヘリ導入後初となるフライトナースが13日、誕生した。救命救急センターの生田厳貴看護師(40)。現在いる5人のナースとともに、同病院で離島の救急医療を担う。
フライトナースとは、ドクターヘリに搭乗し、医師とともに院外で医療活動を行う看護師。県立大島病院の規定では、認定されるには救命救急センターへの勤務歴が3年以上あり、ドクヘリで先輩看護師と搭乗し、30症例以上の経験が必要とされている。フライトナースは現在県内に二十数人いるという。
生田看護師は2018年7月からヘリで現場訓練を始め、7カ月間、現場搬送14症例、施設間搬送を17症例行った。2月から実際に一人でヘリに搭乗。3月9日、無事最終訓練を終えた。
同病院救によると、看護師不足から、フライトナースが訓練にあてられる日数が少ない。さらに業務には命の危険も伴うため家族の同意も得にくいケースもあるという。離島の地理的条件で長距離搬送が多く、重量制限の関係で生田看護師が搭乗できない日もあった。
生田看護師は奄美市名瀬出身。奄美高校情報処理科を卒業し、千葉県で看護の道を志した。12年前に県立大島病院に赴任し、救命救急センターの立ち上げ時から「離島ならではの地理的制約によって救えなくなる命を無くしたい」と救命救急を希望した。
指導した原純救命救急センター長は「フライトナースは10分という限られた処置時間で医師同様の判断力が必要とされる。彼は慌てず淡々を業務をこなせるので頼りになる」と評価。生田看護師は「緊迫した現場が多く、頭が真っ白になりそうになるが、ドクターヘリが来たから安心だと思ってもらえる看護師を目指す」と語った。