奄美の住宅被害3810棟 台風24号から2週間
2018年10月14日
地域
県危機管理防災課は12日現在で、台風24号の被害状況をまとめた。台風が9月29、30日に縦断した奄美群島で住家被害は3810棟に達し、非住家を含めた建物被害の総数は4473棟に上った。水産業関連の被害額は判明分だけで約5億5455万円。被害状況は調査中となっている部分も多く、金額を含めた奄美群島の被害規模は今後も拡大する見込みだ。
住宅被害の内訳は▽全壊32棟▽半壊178棟▽一部損壊3554棟▽床上浸水16棟▽床下浸水30棟。非住家被害は▽全壊190棟▽半壊473棟―の計663棟。
群島の水産業関係では漁船の損壊や沈没、転覆など船舶関連で89隻分約6265万円の被害が発生し、漁港施設の被害額は防波堤や臨港道路、物揚場の損壊など約2億9100万円。瀬戸内町花天にある近畿大学の水産研究所奄美実験場では養殖していた「近大マグロ」約3700匹がいけすの網に衝突するなどして死に、被害額は約2億円に上った。
農作物、農業施設、耕地関係を合わせた農業被害の総額は県全体で40億3877万3千円。農作物被害(26億9599円)の大半を占める工芸作物のほとんどは奄美群島と熊毛地区で生産されるサトウキビで、被害規模は9020・9㌶、約13億8246万6千円に達した。
サトウキビ以外で奄美にも関連する農作物の県全体の被害額は▽野菜9億5079万8千円▽果樹約9557万円▽飼料作物約6052万6千円―など。施設関係は園芸、畜産合計で1039件、約9億178万2千円の被害が発生した。
商工関係では、奄美市、大和村、宇検村、龍郷町、喜界町、天城町、与論町で店舗。建物の屋根損壊などの被害が発生。街路灯の倒壊も奄美市、大和村、宇検村、龍郷町、与論町であった。県全体の被害件数は311件で被害額は約4億4691万円。
道路や河川、砂防、港湾などの土木被害は県工事と市町村工事の合計で128件、約26億5千万円に上った。
県営住宅は、奄美群島内で窓ガラスが割れるなどの被害が157件発生。県有施設では大島支庁や同支庁の各事務所の庁舎、農業開発総合センターの大島支場、徳之島支場の施設でも被害が出た。