奄美の魅力再確認 鹿児島市で復帰記念イベント

2023年08月28日

地域

「六調」を歌い踊って締めくくった奄美群島日本復帰70周年記念イベント「『あの日を語る』夕べ」=25日、鹿児島市

【鹿児島総局】県本土在住の奄美出身者で組織するNPO法人ほこらしゃの風(義山昭夫理事長)主催の奄美群島日本復帰70周年記念イベント「『あの日を語る』夕べ」が25日、鹿児島市のかごしま県民交流センターであった。講演や島唄などのステージ発表があり、来場者が奄美の魅力を再確認するとともに、復帰運動の記憶を後世に引き継いでいく決意を新たにした。

 

義山理事長は「歴史に学び、歴史の中から自分たちらしさを発見していきたいと思う。奄美は世界自然遺産にもなった。きょうは先人たちの思いを心の中で共有する時間にしてほしい」とあいさつ。イベントには塩田康一知事や安田壮平奄美市長も出席した。

 

県奄美パーク園長の宮崎緑さんが「奄美の魅力」の演題で講演し、奄美の復帰運動に絡めて世界の歴史を紹介しながら奄美の独自性について解説。「奄美では人も生態系の一部として文化を築いてきた。島々で言葉が異なるなど、多様性も魅力。持続可能な営みを紡いできた先人たちのライフスタイルは世界に発信していくべきもの」などと語った。

 

ステージ発表は、ほこらしゃの風のメンバーらが「島のブルース」「ワイド節」などに合わせて踊りを披露。最後は「六調」を来場者も一緒になって歌い踊り、締めくくった。

 

鹿児島市から訪れた瀬戸内町出身の女性(65)は「古里のことを懐かしく感じられ、とてもいいイベントだった。復帰運動のことは詳しく知らないが、次の世代に引き継いでいくことはとても大事なことだと思った」と話していた。