奄美は対応にばらつき レジ袋有料化
2020年06月30日
地域
7月1日から全国の全ての小売店でプラスチック製買い物袋(レジ袋)の有料化が義務付けられ、無料配布が禁止される。奄美でも大型の量販店やスーパー、チェーン店など各小売店で有料化に向けた準備が進む。一方、個人経営の店などでは事業者が制度内容を十分理解していなかったり、消費者離れを懸念したりして1日からの有料化を見送る動きもある。コロナ禍も影響もしてか、行政など関係機関による事前広報も不十分で、消費者を含めた制度の周知が課題となりそうだ。
有料化が義務付けられるのは、小売店が客に配る持ち手の付いたプラスチック製の袋。世界中で深刻化するプラスチックごみによる海洋汚染の問題解決に向けた取り組みの一環。レジ袋の有料化でマイバッグの持参など消費者のライフスタイルの変革を促す目的。
奄美では奄美市名瀬のイオンプラザ大島店が昨年9月からレジ袋有料化を始めるなど、店によってはすでに前倒しでスタートしているところもある。
同市名瀬のだいわ大熊店(渡辺浩人店長)では1日からのレジ袋有料化に向け、店頭やレジ前に案内を張り、「30日でのレジ袋無料配布終了と、マイバッグ持参運動への協力」を呼び掛けている。
同店では1日以降、レジ袋1枚当たり小サイズ3円、大サイズ5円で販売予定。渡辺店長は「奄美市内では他店が昨年から有料化に取り組んでいたこともあり、住民理解も進んでいるように思う。スムーズに移行していけるのではないか。環境の問題は全世界的なもので、こうした(レジ袋有料化の)流れは仕方ない。店側もしっかり取り組むので、お客さんにもご理解いただけたら」と話した。
大・中型のスーパーや大手コンビニなどで準備が進む一方、個人経営の店の中にはレジ袋有料化への対応に戸惑う事業者も。龍郷町の小売業の店主(50代)は「市街地の大型店ならともかく、集落の小さな店で、今までずっと無料だったレジ袋で急に金を取ったら、お年寄りなどは驚くよ。制度の趣旨は理解しているが、1日から即有料化は考えていない」と話した。
奄美市内の青果店の店主(70代)は「プラスチックの海洋汚染は大変な問題だが、レジ袋有料化が世間に浸透するまでしばらく時間がかかる。同業の店の対応も見ながら足並みをそろえたい」と語った。
レジ袋を含む容器包装を一定量以上使う事業者は国への定期報告が必要で、今後レジ袋有料化の取り組みが著しく不十分と認められた場合は勧告や命令が出されることもあり、命令に違反すると罰則もある。
事業者・消費者への制度の周知について県廃棄物・リサイクル対策課は「県のホームページなどで行っている。国や各市町村、関係機関と連携して今後も取り組む」。奄美市環境対策課は「レジ袋有料化について近く市のホームページに載せ、8月の広報誌でも周知したい」としている。