奄美トレイル、住用コース開通
2018年01月29日
地域
県が奄美群島の各島でコース設定を進めている「世界自然遺産 奄美トレイル」は28日、群島のトップを切って奄美市住用町エリアのコースが開通した。トレイルコースは奄美の自然や文化に触れながら歩く道で、2017年度は同町のほか、伊仙、和泊、知名の各町でも開通予定。同日は住用町で記念式典とトレイルウオークイベントがあり、参加者は三太郎峠沿いの古道を歩いて島の自然を体感した。
奄美トレイルは、今夏の実現が有力視される奄美大島と徳之島の世界自然遺産登録の効果を奄美群島全体へ波及させるのが目的。県は各島で16~20年度に選定作業を行い、21年度までに順次開通させていく。28日にあった奄美市住用町での開通式典では、県の古薗宏明環境林務部長や朝山毅奄美市長が、世界自然遺産登録と連動した奄美トレイルによる群島内への効果波及への期待を述べたほか、地元の関係者も交えてテープカットでトレイル開通を祝った。
同町では▽川内フナンギョの滝・内海コース(7・5㌔)▽古道三太郎峠・西仲間コース(6・7㌔)▽マングローブ・山間コース(4・9㌔)▽戸玉・市コース(3・9㌔)―の4ルートを設定。ウオーキングイベントは古道三太郎峠・西仲間コースであり、老若男女58人が参加した。
同コースは昭和30年代まで地元住民の生活道路の役割を担ってきた未舗装の峠道に沿って設定。山道沿いにはヒカゲヘゴなどの植物が見られ、途中の三太郎茶屋跡は内海を眺められる展望スポットにもなっている。
コースはきつい上り坂も多く、参加者は汗だくになりながらも約4時間をかけて全員が完歩した。上野修さん(45)=同市名瀬=は「自然に興味があり参加した。島ならではの風景、自然を再認識するよい機会になった」と話した。
この日は、第21回三太郎峠歩こう会(住用地域子ども会連絡協議会主催)も併催し、69人が12・3㌔のコースを歩いた。
2月2日は沖永良部島の和泊、知名両町、同10日は伊仙町のコース開通式とウオーキングイベントがある。