奄美大島で防災点検 住民意識も防災力の要
2019年05月30日
地域
県大島支庁と奄美市、大和村などは29日、合同防災点検を実施し、災害危険地区で工事が進む現場2カ所を視察した。行政関係者に加え、奄美署や大島地区消防組合など合わせて約30人が参加。災害の未然防止に向けたハード整備の役割を再確認するとともに、住民の意識向上など地域の防災力強化を申し合わせた。
視察したのは大和村の大和浜4地区急傾斜地崩壊対策事業と、奄美市名瀬浦上町で進む与蓋(ふた)川地区通常砂防事業の現場。大島支庁の担当職員が工事の必要性や進捗(しんちょく)状況についてパネルなどを使って詳細に報告した。
大和浜4地区では、村防災センターの屋上から視察。「現場は崖高160㍍で傾斜度は36度。斜面下の人家に加え、防災拠点でもある大和村役場や県道もあり、斜面崩壊が発生すると非常に危険な状態にある」との説明があった。
大島支庁の上大田孝成建設部長は「防災点検は梅雨が本格化する前に毎年実施している。急傾斜地や砂防などの対策工事を進めているが、ハード事業にはどうしても限界がある。地域の方々には防災意識を高めてもらい災害に備えてほしい」と話した。