奄美市で手熟師会子ども講習会
2019年12月23日
地域
奄美手熟師会(岬眞晃会長、講師14人)の子ども講習会が22日、奄美市名瀬の長浜中央自治会集会場であった。この日は長年子ども講習会に参加してきた大島高校3年の満広さんが講師を担当。後輩である子どもたちに手作りおもちゃの魅力を伝えた。
手塾師会は奄美大島在住の技能者らの交流を目的に1992年に発足。島内のイベントなどでワークショップを開いているほか、年1回募集する体験会員を対象に木工や陶芸、島唄、昔遊びなどの講習会を毎月実施している。
満さんは4歳のときに母親に連れられて講習会に参加。8月25日に逝去した泉幸二前会長らに手ほどきを受けながら、ものづくりの技術や楽しさを学んだ。
この日は6家族が参加。5歳から14歳までの子ども9人が小刀を使って竹とんぼ作りに挑戦した。黙とうの後、満さんは「今日は泉さんから預かった小刀と竹材を持って来ました。刃物を使うのでけがをしないよう、周りにも注意しながら作業しましょう」とあいさつ。
満さんは参加者一人一人を見て回りながら小刀の扱い方やうまく飛ぶ羽の削り方を指導。手熟師のメンバーがその様子を見守りながらサポートした。
子どもたちは真剣な表情でそれぞれ作業し、約1時間かけて思い思いの竹とんぼを仕上げた。母親と参加した小宿小3年生の山元奏佑君は「皮の固い所を削るのは力がいる。高く飛んでうれしい」と笑顔で話した。
満さんは高校卒業後、進学のため島を離れる。これまでを振り返り「手熟師会の講習で遊びを通してたくさんの知恵を教えてもらった。手作りおもちゃは身近にあるもので年齢に関係なく遊べるのが魅力。技術や楽しさを継承することが大事だと思う」と語った。