奄美市の飲食店でクラスター 奄美大島で初、関連は9人
2021年04月30日
地域
県と鹿児島市は29日、県内で新型コロナウイルスの感染者が新たに28人確認されたと発表した。奄美在住者は計11人。このうち奄美市と大和村在住の男女8人は、奄美市内の接待を伴う飲食店の従業員や来店客などで、県は新たなクラスター(感染者集団)が発生したと判断した。奄美大島でのクラスター発生は初めてで、関連する感染者は28日に発表があった奄美市の20代女性も含め9人。奄美群島でのクラスター発生は4例目で、県内全体では29例目。
奄美市のクラスター関連で29日発表があった感染者の内訳は、奄美市の20代の男性と30代女性各2人、10代と20代女性、30代男性各1人。大和村の50代男性1人。同村の感染者確認は初めて。
このうち、20代と30代男性、30代女性の計3人は28日に検査を受け、陽性が確認された。20代男性はせきの症状、30代女性は倦怠(けんたい)感やせきなどの症状を訴えており、いずれも奄美大島の医療機関に入院中。30代男性は頭痛と37・5度の発熱の症状があり、同島で宿泊療養中となっている。
他の5人については29日に感染が確認され、症状や療養状況などは確認中。
県によると、奄美市のクラスター関係者9人の内訳は、4人が店舗関係者で4人が来店客、1人が来店客の職場関係者。
県はクラスター発生を判断した一方、29日の記者会見で「不特定多数への感染可能性について調査を進めている」として、現段階で飲食店の店名は公表しない方針を説明。クラスター発生の原因や店舗の感染対策、来店客把握の名簿作成の有無などは「現在確認中」とするにとどめた。
クラスター関連での29日の検査数は、陽性が確認された8人を含め同日夕現在で約30例。30日以降、検査対象者が増える可能性もある。
クラスター関連以外の奄美在住の新たな感染者は奄美市の30代男性2人と知名町在住の40代男性1人。うち、知名町の男性については28日に鹿児島市内で陽性が判明し、29日に県内の医療機関に入院した。東京都からの来訪者との接触歴があるという。
奄美市の男性のうち1人は28日に陽性が判明。29日現在、37・5度の発熱と頭痛の症状があり、医療機関に入院している。もう1人の男性は29日に陽性が確認され、症状の有無や療養状況などは調査中。
29日に感染が発表された奄美関係以外の感染者は鹿児島市、西之表市、日置市、鹿屋市、霧島市、姶良市の10代から70代までの男女。県内で1日の感染者数が20人以上となったのは1月23日以来。
県内の感染者数は29日現在、2090人。28日現在、51人が医療機関に入院し、48人が宿泊療養中、2人が自宅待機中。