学芸員の仕事を体験 20人が土器修復に挑戦 伊仙町

2024年09月29日

地域

割れた陶器を修復する「接合」作業に挑戦する参加者=28日、伊仙町農業支援センター

徳之島の自然や文化などについてさまざまな観点から学ぶ「徳之島のいろは」の講座「カムィヤキの世界」が28日、伊仙町伊仙の町農業支援センターであった。島内の親子連れ約20人が受講。同町で発掘される土器カムィヤキの修復作業など、学芸員の仕事を体験して調査、研究の面白さを学んだ。

 

「徳之島のいろは」は伊仙町歴史民俗資料館が主催する「地域の特色ある埋蔵文化財活用事業」で実施。今年度は全5プログラムがある。

 

カムィヤキは今から約1000年前に奄美・沖縄地域で日常的に使われていた土器。同町には国指定史跡の「カムィヤキ陶器窯跡」があり、多くの土器が発掘されている。

 

講座では土器の表面の模様を紙に写し取る「拓本」、土器の破片を接着して復元する「接合」、写真撮影など、学芸員が実際に行っている作業を体験した。接合は土器の代わりに、割れた陶器を利用。参加者らは根気の要る作業に集中して取り組んでいた。

 

母親、弟と3人で受講した幸野佑紀さん(神之嶺小3年)は、「恐竜が好きなので発掘作業に興味があった。写真を撮る方法を教えてもらったのが楽しかった。将来は研究者になりたい」と目を輝かせた。

 

同館学芸員の安田未来さん(34)は、「想定以上に好評で、親子で興味深く取り組んでもらえた」と手応えを示し、「土器の中には発掘から復元まで3~4年かかるものもある。体験を通して私たちの仕事や役割を理解してもらいたい」と期待した。