島民の紹介マップなど提案 徳之島「みらい創りCAMPUS」
2019年05月04日
地域
徳之島町と富士ゼロックス鹿児島㈱が連携し、大学などの教育機関も交えて地方創生に取り組む「徳之島みらい創(づく)りCAMPUS」の報告会が4月25日、鹿児島市の鹿児島大学であった。2018年度に徳之島で行った「対話会」(フィールドワーク)に参加した鹿大の学生3人が登壇。活動を通して気付いた島の魅力や特性と、それらを生かした地域振興への取り組みを提案した。
徳之島町と富士ゼロックスが国の地方創生交付金を活用して17年度に連携協定を締結した「徳之島みらい創りプロジェクト」の一環。19年度までの3年間、地元住民や島内外の企業、県内の大学生が参加して地域振興の可能性を模索する。
18年度は教育機関として鹿児島大学がプロジェクトに参加。7月から今年3月まで毎月3日間実施した対話会に、法文学部の樋渡初菜さん(4年)=三島村出身、森蓮さん(3年)=奄美市出身、清瀬りほさん(3年)=徳之島町出身=が参加し、住民との対話を通して地域振興策を探った。
樋渡さんは、島民の人柄や住民から得られる情報などを資源と位置付け、住民の紹介マップを提案。島民と観光客の距離を縮めるためのツールとして活用することで、島民と観光客のコミュニケーションによるリピーター確保や島内での消費増などにつながるとした。
森さんは地域の中でも人々の考え方が多様化していると分析し、普段は口に出しにくい意見を含めてさまざまな考えを語り合い、理解するためのネットワークの構築を提案した。
同町出身の清瀬さんは、島に住む中高生が将来の目標を考えるきっかけづくりとして企画したサイクリングイベントの取り組みを報告。人材育成への視点から、行政や地域との連携で継続したいと述べた。
報告会には、鹿児島大学の佐野輝学長、富士ゼロックス鹿児島㈱の金子努代表取締役社長、高岡秀規徳之島町長も出席。鹿大生3人の報告に対し、着眼点の良さなどを評価した。
「徳之島みらい創りプロジェクト」は最終年の本年度、町は3人の提案とスポンサー企業とのマッチングなどに取り組み、年度内の事業化を目指す。