復帰運動の思い出語る 「奄美を語る会」例会 鹿児島市

2023年07月30日

地域

「奄美を語る会」例会で日本復帰運動の思い出をテーマに話す豊純輝さん=29日、鹿児島市

県本土在住の奄美出身者や関係者らが奄美の歴史や文化をさまざまな角度から語り合い、学びを深める「奄美を語る会」の第132回例会が29日、鹿児島市の県教職員互助組合会館であった。龍郷町出身で元教諭の豊純輝さん(90)=鹿児島市=が「90歳、奄美大島日本復帰運動の思い出」と題して講話。約30人が参加し、復帰70周年の節目の年に改めて奄美の歴史を振り返った。

 

例会は2019年以来、4年ぶりに開催。豊さんは戦時中の空襲体験や物資不足の苦労、戦後の大島高校在学中に自治会(生徒会)活動で携わった復帰運動について語り、「復帰後の選挙は党利党略や地域利益が優先され、精神的な自立がなされなかったような気がする。群島民の意識改革が必要ではないか。復帰運動の原点に立ち返り、精神的に自立する立派な島になってほしい」などと述べた。

 

豊さんの講話後、今月20日から7日間かけて「密航陳情団」の足跡をたどり、カヌーでトカラ島|鹿児島市を縦断した「結人プロジェクト」キャプテンの白畑瞬さん(38)が活動の報告を行った。

 

「奄美を語る会」世話人の仙田隆宜さん(76)=鹿児島市=は「この会は40年以上前に始まった。自分が病気で倒れてしまい、しばらく開催することができなかった。奄美を語る人がいなくなるという危機感から、今回思い切って復活させた。今後も可能な限り続けていきたい。年3、4回実施できたら」と話した。