情報発信力、ラインで強化 登録者増加、さらに機能拡充 奄美市
2022年09月25日
地域
スマートフォンなどの携帯端末の普及が進む中、奄美市は無料通信アプリ「LINE(ライン)」を活用した情報発信に力を入れている。ライン上で市が運営する公式アカウントを登録(友達追加)することで受けられるサービス。利用者には、ごみ収集日や新型コロナウイルスワクチン接種などに関する案内から市関連イベントの告知、学校給食の献立までさまざまな情報が届く。利用者側から市の方へ情報提供できるよう機能の拡充も予定しており、さらに活用の幅が広がりそうだ。
同市は新型コロナワクチンの接種予約を行うウェブページへの誘導など、ワクチンの接種促進にラインを活用しようと、2021年2月に公式アカウントを立ち上げた。開始からしばらくの間は登録者が3桁台と少なかったが、徐々に増加。昨年10月にはデジタル庁が提唱するデジタルの日(10月10、11日)に合わせてイベントを開き、公式ラインをPRしたところ、登録者が急増し、10月中に2500人を超えた。
▽児童手当の振込日など子育て情報▽ごみの収集日▽学校給食の献立―など配信情報の充実化に比例して登録者数も増え続け、今年9月22日現在で5769人が登録。市は各課の住民窓口のアクリルボードに公式ラインアカウント登録用QRコードを貼ってPRするなど、登録増への取り組みを続けている。
公式ラインで発信する情報は現在、各課からの依頼をデジタル戦略課で取りまとめ担当者が行っている。ごみ収集日の通知など定期的なものに加え、災害時の避難所開設、マイナンバーカードの窓口時間の延長、プレミアム商品券(ほーらしゃ券)の事前購入申請期限の案内など多種多様。8月は230件の市政情報を発信した。
利用者は市の公式ラインアカウントを登録後、受信設定で「防災・緊急情報」「生活」「求職者向け」「市外在住者向け」など、得たい情報の設定などが可能。デジタル戦略課は「受信設定をする人の割合が少ないのが課題。欲しい情報を適切に受信しやすくなるため、設定してほしい」と呼び掛けている。
公式ラインでの市から住民への情報発信が充実する一方で現在、市が住民から情報提供を受ける機能がなく、市は年内にこの機能を追加する方針。住民から河川の氾濫や土砂災害の発生、道路や公園での破損箇所の情報など、写真や位置情報と共にライン上で受けられるようになる。市民サービスの向上や、住民、観光客目線での地域の魅力掘り起こしにつなげたい考えだ。
デジタル戦略課の田川正盛係長は「ラインは全国で最も多く利用されているSNS(インターネット交流サイト)。今後も住民との『窓口』として、うまく活用していきたい」と話した。