故小出監督偲ぶ会、280人出席 天城町
2019年11月10日
地域
シドニー五輪金メダリストの高橋尚子さんらマラソンのメダリストを育て、4月に肺炎のため亡くなった小出義雄さん(享年80)を偲(しの)ぶ会が9日、天城町防災センターであった。島内の行政、陸上関係者ら約280人が出席。歴代町長らが故人との思い出を振り返って功績をたたえ、徳之島で合宿した20年間に感謝して別れを惜しんだ。
小出さんは積水化学工業の女子陸上競技部監督だった1998年、合宿で初めて徳之島を訪れた。高橋選手が金メダルを獲得した2000年には練習拠点だった島北部の県道が「尚子ロード」と命名され、記念碑も建立された。指導者を引退する今年2月にも教え子の強化合宿で来島するなど、約20年間徳之島で選手を指導してきた。
偲ぶ会は長年の合宿を通じて、徳之島や天城町をスポーツ合宿の〝聖地〟として広めた小出さんの功績をたたえようと同町が主催。啓子夫人や次女の正子さん夫妻のほか、同町で合宿中の実業団チームの選手・スタッフらも出席した。
黙とうをささげた後、偲ぶ会実行委員会委員長の森田弘光天城町長は「初来島から約20年間、町のスポーツ、観光振興に貢献され、『スポーツ合宿日本一の島』の名を全国に広げていただいた。小出監督の遺志を継ぎ、町のスポーツ振興の発展に一層の努力を重ねていく」とあいさつ。
歴代町長を務めた寿洋一郎、吉岡光一(代読)、大久幸助の3氏は、トライアスロン大会の全島一周開催や全天候型陸上競技場の整備など、小出さんの提案を受けて実現した各種施策を振り返り、「日本陸上会の偉大なる指導者としての活躍に敬意を表し、本町を愛してくださったことに感謝を申し上げる」とお別れのことばを述べた。
町ユイの里テレビが撮影した徳之島での小出さんや高橋選手の弔辞の映像に続き、指導者として親交があった前拓殖大学陸上部監督の岡田正裕さん、元北國銀行陸上部監督の徳田邦彦さんが指導者としての小出さんの素顔を紹介した。
出席者全員が献花した後、啓子夫人は「徳之島の皆さまから力、支えをいただき、高橋選手が金メダルを取れたことを感じた。小出が長い間お世話になりました」と感謝を述べた。