沖永良部、台風少なくキビ順調 5期連続の8万㌧超を期待
2019年10月07日
地域
沖永良部島で今期産サトウキビが順調に生育している。毎年干ばつが心配される夏場に適度な降雨があり、台風による被害もここまでは比較的少ない。沖永良部サトウキビ生産対策本部は「今後強い台風がなければ前年並みの数値(8万1500トン)はいく」と見通す。5期連続となる生産量8万トン超えに期待が高まる一方、糖業関係者は6日に発生した台風19号の動向に気をもんでいる。
同本部によると、今期は6月の長雨で日照時間が極端に少なかった影響で、主に春植えを中心に茎数の減少が目立っている。一方、茎長の伸びは順調で、9月20日現在、平年に比べ17センチほど長い。
また9月の台風17号では、海岸側のほ場を中心に葉の裂傷や潮風害を受けており、今後の回復が望まれている。
沖永良部島のキビ生産量は2015~16年期に、7年ぶりとなる8万㌧台に達して以降、前期まで4年連続の8万トン台を維持している。
大型製糖工場・南栄糖業㈱の健全運営や、農家所得の安定のためにも「8万トン達成」は島内の糖業関係者が共有する毎年の目標ライン。
JAあまみ和泊事業本部サトウキビ部会長の榮修司さん(皆川)は「毎年しっかりと8万トン台を維持することは沖永良部のキビ産業にとって大変重要。今後も収穫面積を確保することが大切」と話す。今期産に関しては「島の内側(のほ場)はいいが、外側は潮風害を受けていて、今後の雨による回復次第で状況が変わるかも」と述べた。
生産対策本部によると、今月15日からキビ生育調査を実施し、11月上旬に今期の生産量見通しをまとめる。担当者は「8万トン台はほぼ見えている。あとは台風が来ないことを祈るのみ」と話した。