沖永良部地区で若手農家らプロジェクト発表

2019年10月31日

地域

若手農家がプロジェクト報告や意見発表を行った青年農業者会議=30日、和泊町

若手農家がプロジェクト報告や意見発表を行った青年農業者会議=30日、和泊町

 2019年度沖永良部地区青年農業者会議(同地区農業青年クラブ連絡協議会など主催)は30日、和泊町の集宴会施設であった。若手農業者3人が個人や会員共同で行うプロジェクトの成果と課題を発表。新規就農者の意見発表もあり、沖永良部島での新規作物・新品種導入の可能性や、新時代の農業経営の在り方について考えた。

 

 知名町の幸山利忠さんは、「テッポウユリ新品種の栽培特性と市場性の把握」の題で発表。従来から栽培している品種「ひのもと」は「作業効率の悪さや価格低迷などで出荷量と所得が安定していない」などと問題提起。プロジェクトでは「ピュアホルン」「プチホルン」の2種類の新品種を試作。「ピュアホルンは12~3月出しの球根がバランスよく、プチホルンも切り花に向くサイズの球根を多く養成できた」などと成果を発表。「球根養成と3月出し栽培の生育特性や市場でのアンケート調査を総合的に判断し、物日出荷のひのもとに加え、冬春期(12月~4月)を通した小売販売用としてピュアホルンを導入したい」と述べた。

 

 和泊町農業青年クラブの竹下敦史さんはパイナップル栽培の共同プロジェクトを発表。▽台風に強い換金作物の選択肢が増える▽他作物と比べて手間がかからず、自家採苗でコストも抑えられる―など栽培メリットを紹介。昨年、沖縄県の生産状況を視察し、今年秋に試験栽培に向けた植え付けを開始。今後の年次計画や課題についても言及した。

 

 このほか知名町農業青年クラブの武元竹夫さんが「知名町での新規品目の検討」の題でズッキーニ栽培などについて発表。また新規就農者の山本成孝さん(和泊)と西一樹さん(知名)が、農業経営への熱い思いを語った。

 

 会議には若手農家や島内の指導農業士、農協・行政の担当者ら約40人が出席。発表をもとに若手農家へ助言を行った。