治安の向上に期待 防犯カメラ利用で協定締結 伊仙町と徳之島署

2024年05月22日

地域

協定書を手にする大久保明伊仙町長(右から2人目)と原口浩二徳之島署長(同3人目)=21日、同町役場

伊仙町と徳之島警察署は21日、同町が管理、運用する防犯カメラの映像の利用に関する協定を締結した。町が設置した防犯カメラで撮影、記録した映像を要請に応じて同署に提供する。大久保明町長は「今後もカメラを増設していく方針。徳之島署と連携して治安向上と島民の安全安心につなげたい」と効果に期待した。同署と管内自治体との同様の協定締結は23年の天城町に続いて2例目。

 

伊仙町は23年度事業で防犯カメラを町内の主要道路など15カ所に設置。事業費593万円のうち544万6千円は防衛省の再編関連訓練移転等交付金を活用した。

 

防犯カメラの設置場所に関しては同署と事前に協議して決定。家屋の内部などは映らないように配置しており、約1カ月分の映像が記録できるという。映像の提供は警察が要請した場合のみに限る。

 

調印式は町役場であり、大久保町長と原口浩二署長が署名、押印した。原口署長は「昨年の伊仙町内での刑法犯認知件数は25件。一昨年より16件増加している」と懸念を示し、「防犯カメラの映像は事故の原因究明や行方不明者の捜索などの捜査に大きく寄与する。協定事項を順守しながら有効活用したい」と話した。

 

県警によると、23年の県内の刑法犯検挙件数は2735件で検挙率は40・7%。近年は防犯カメラや携帯電話の映像記録が捜査に活用される事例が大多数となっているという。