泥染め体験、動画で記録 大島紬テーマに現地実習 鹿児島大学
2023年09月15日
芸能・文化
本場奄美大島紬の技術や歴史に関する現地調査や実習で奄美大島を訪れている鹿児島大学の学生14人が14日、奄美市と龍郷町で紬の製造工程を見学、体験した。原絹織物「仁左ェ門」(同市名瀬、原正仁社長)の職人による指導の下、伝統の染色技法「泥染め」などに挑戦。技術継承を図り、動画撮影も行われた。
同大学が展開する学部横断型の地域人材育成プラットフォーム(基盤)活動の一環。大島紬をテーマにした現地実習は2018年に始まり、ほぼ毎年実施している。今年は今月13~15日の日程を軸に来島し、関係各所で職人らを訪問している。
14日は大島紬の染色工程に沿って、同市名瀬の工房でシャリンバイ(テーチ木)による染色、龍郷町の泥田で泥染めを見学した。実際に染色を体験したのは主に2年生12人。3年生2人は職人への聞き取りや染色の動作を撮影するなど、各種調査に取り組んだ。
染色を体験した理学部2年の中村朝陽さん(20)は奄美市名瀬出身。故郷の伝統に関する学び直しとなり「改めて大島紬の歴史や作り方を知り、誇りに感じた。大学での学びと関連付けて奄美を見詰め直し、視野を広げたい」と語った。
2年連続で参加した工学部3年の豊嶋美結さん(20)=霧島市出身=は「大島紬の精密な柄と製造技術に感動し、深く学びたいと思った。ただ、産業的に見ると需要、供給の両側面で課題が山積しているようで、いろいろと考えさせられる」と話した。
現地実習を受け入れた原社長は「教員、学生とも大島紬に関心を持ってくれてうれしい」と話し、今後の継続にも期待した。