海の恵みや命に感謝 伝統の追い込み漁体験 芦花部小中

2024年07月11日

地域

海面をたたきながら魚を追い込む児童生徒と保護者=6日、奄美市名瀬(提供写真)

奄美市名瀬の芦花部小中学校(小島士郎校長、児童生徒39人)は6日、学校近くの有良海岸で追い込み漁体験学習を行いました。児童生徒や保護者、地域住民合わせて約100人が参加。児童生徒は伝統漁法に親しみながら、自然の豊かさや海の恵みを体感し、命をいただくことへの感謝の気持ちを育みました。

追い込み漁は泳いだり海面をたたいたりすることで音を立て、魚を仕掛けた網に追い込む伝統漁法で、同校の恒例行事。昨年度は天候不良で中止となったため、初めて体験する児童生徒もいました。

児童生徒らは正午ごろから追い込み漁に挑戦。保護者と海に入り、海面をたたきながら海岸から約50㍍先に仕掛けた網へ魚を追い込みました。引き潮の時間帯にも重なったことから、追い込んだ魚が網にかかっているところを見ることができ、子どもたちから大きな歓声が上がりました。

漁の後は魚のうろこ取りにも挑戦。生きた魚に初めて触れる児童も多く、なかなか魚に触れられなかったり、恐る恐る魚を網から外したりする様子も見られましたが、漁師や保護者の指導で意欲的に取り組むことができました。

捕れた魚は唐揚げに。▽魚を捕る▽さばく▽調理して食べる―過程を経験することで、子どもたちは命の大切さについて考えました。

芦花部小6年の久松圭太君は「初めてこんなにたくさんの魚が捕れて楽しかった。うろこ取りもできて、いい体験になった。元気に泳いでいた魚なので、感謝していただいた」、芦花部中1年の山田仁香さんは「地域の方や保護者の方など、たくさんの方々の協力のおかげで伝統の追い込み漁を大成功させることができた。魚もたくさん捕れてうれしかった」と話しました。