漂着物はロケット部品か 奄美市住用町
2021年05月12日
地域
今月、奄美市住用町の青久海岸に打ち上げられているのが見つかった巨大な金属の板について、ロケットの部品とみられることが11日までに分かった。過去に南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げられたH2AかH2Bロケットの一部とみられ、打ち上げを担当した三菱重工業が確認を進めている。
金属板は2日、海岸に立ち寄った市民が発見した。縦2・8㍍、横2・7㍍、厚さ4㌢。外側には英単語と数字が書かれ、内側には配線らしきものが残っていた。
県大島支庁建設課によると、10日に三菱重工業から問い合わせがあり、同支庁で撮影した写真データを提供した。三菱重工業は南海日日新聞社の取材に対し、「ロケットの先端部分に搭載する部品『フェアリング』の可能性が高い」として、現在確認中と明らかにした。
同社によると、フェアリングは人工衛星を覆い、ロケット打ち上げ時に発生する熱や音、振動などから人工衛星を守る部品。高度100㌔以上の宇宙空間でロケットから分離され、通常は海洋上に落下した後、船で回収するという。県大島支庁建設課は「ロケットの部品だとすると、そういったものが漂着するのは珍しい」としている。
漂着物周辺は11日現在、ビニールテープで囲い、立ち入りを規制している。三菱重工業は「ご迷惑を掛け申し訳ない。確認がとれれば回収したい」としている。