環境保全へ分別徹底 徳之島で「ごみシンポ」
2019年05月16日
地域
徳之島愛ランド広域連合主催のシンポジウム「みんなで考える徳之島のごみ処理の明日」が14日夜、徳之島町生涯学習センターであった。基調講演や地元団体の活動報告があり、来場者はダイオキシン類の発生源対策に効果的なごみ分別の徹底に理解を深め、徳之島に適したごみ処理法を考えた。
シンポジウムは、ごみ行政の情報共有を目的に、伊仙町で開催した3月に続き2回目。町内外から約160人が来場した。
徳之島3町のごみ処理場「徳之島愛ランドクリーンセンター」の施設整備基本構想検討委員会の小原幸三委員長は、焼却施設の老朽化や過去5年間に焼却飛灰から国の基準値を超えるダイオキシンが測定された同センターの現状を挙げ「みんなが変わらないと全体が変わらない。次世代に美しい島を引き継ぐため、みんなで改善方法を考えよう」とあいさつした。
基調講演の講師は日置市市民生活課の久木崎稔さん、徳之島徳洲会病院院長の藤田安彦さん、(一社)NIPPON紙おむつリサイクル推進協議会会長の須東亮一さん=愛知県=の3人が担当した。
久木崎さんは日置市が2015年度から、ごみステーションに生ごみ回収用容器を設置し、生ごみを分別回収する取り組みを紹介。同市の可燃ごみは前年度比約1200㌧減少し、約3300万円の節税と二酸化炭素を約320㌧削減したと報告した。生ごみを堆肥化し雇用を生み出す仕組みについても説明し「生ごみは地方創生にもつながる」と語った。
藤田さんは高齢化に伴い、全国的に可燃ごみに占める紙おむつの割合が上昇していることを示し「病院でも廃棄物として紙おむつを減らす方向で考えないといけない。行政や福祉との連携も必要だ」と訴えた。須東さんは水分を含んだ紙おむつの減量化や固形燃料や堆肥へリサイクルすることで、自治体の処理費用が軽減された事例を紹介した。
亀津中学校生徒会会長の平一愛(ちなり)さん(3年)と副会長の福嶺淳太君(同)は、毎週1回全校生徒で実施している登校中のごみ拾い活動について報告。特定の場所にたばこの吸殻や空き缶など飲み物のごみが多いとして、「ごみ拾いをしてきれいな町を維持し、ごみ捨てさせない活動を継続していく」などと述べた。
亀津北区区長の幸多勝弘さんは、地区内に投棄された空き缶などのごみや他地区から持ち込まれた分別されていないごみの事例を紹介。「違反ごみは大変恥ずかしいこと。ごみとなったものも、最初は必要な物として購入したはず。最後まで感謝の気持ちを持ち、処理を考えてほしい」と呼び掛けた。
来場者からは「高齢化で紙おむつ使用量の増加が懸念される。紙おむつに頼らないよう、健康で元気に生きよう」という意見があった。