知名町のガソリンスタンドが防災訓練
2019年08月04日
地域
国から住民拠点SS(サービスステーション)として指定を受けている知名町の有限会社南国商事知名給油所(東山栄三社長)は1日、自家発電機を稼働させた防災訓練を実施した。台風襲来などで長時間の停電が発生した際も、自家発電機を使ってスムーズな給油を行うための訓練。同社は「災害発生時の地域住民の一助になれれば」としている。
東日本大震災や熊本地震では停電によりガソリンスタンドで緊急車両や一般車への燃料の供給ができずに混乱を招いた。そうした教訓から国は全国各地のガソリンスタンドを「住民拠点SS」に指定し、発電機を設置する取り組みを進めている。
資源エネルギー庁のまとめによると、今年3月末現在、住民拠点SSに指定されている沖永良部島内のガソリンスタンドは3件(和泊2件、知名1件)となっている。
南国商事では17年11月から発電機を設置して毎年3回の訓練を実施。沖永良部島内で長時間停電が続いた昨秋の台風24号襲来時も自家発電機を稼働させて給油を行い、同スタンドにはガソリンを求めて長蛇の車の列ができた。
1日は午後3時から約3時間、スタンドの電気設備を発電機に切り替えて給油などの通常業務が問題なく実施できるか確認。「防災訓練中」の張り紙を示して来客に訓練を周知した。
同社社員の東山栄仁さん(35)は「従業員の業務中の安全が確認できれば、停電時でも自家発電機を稼働せて給油が可能。消防などの関係機関や住民にも周知することで、万一の際に役立てれば」などと話した。