自由に見て感じてほしい 奄美で初の個展、龍郷町 ミロコマチコさん

2023年06月26日

地域

奄美初個展のレセプションで作品への思いを語るミロコマチコさん=24日、龍郷町戸口

奄美大島在住の画家・絵本作家ミロコマチコさんの個展「あっちの耳 こっちの目」(一般財団法人セレンディビティー奄美主催)が25日、龍郷町戸口の私設美術作品収蔵庫「The倉庫」と、隣接する「放浪館」で始まった。奄美大島移住後の作品と立体造形作品約30点のほか、常設の平面、立体作品や動画作品などを展示している。24日はオープニングレセプションがあり、ミロコマチコさんは「奄美の人たちが作品を見てどう感じるのかが楽しみ。自由に見て感じてほしい」と話した。

 

ミロコマチコさんは1981年、大阪府生まれ。2004年から画家として活動し、伸びやかで色彩豊かな生き物の絵で国内外から注目を集める。絵本のデビュー作「オオカミとぶひ」(イースト・プレス、2012年)で日本絵本賞大賞に輝いて以降、多数の絵本賞や文芸賞を受賞している。19年6月に奄美大島へ移住。

 

奄美での個展は移住後、初めて。目玉となる近作の絵画25点と大型の立体造形作品シリーズ6点のほか、常設されている移住前の平面作品やライブペインティング動画などが展示され、作風の変遷なども感じられる内容。

 

24日のレセプションには、地元住民や教育関係者など約400人が来場。ミロコマチコさんはそれぞれの作品を解説し、「これまでは野生の生き物の強さへのあこがれから動物を描いていた。奄美に移住後は自分自身が強くなり、目に見えない生き物たちを感じ、描くようになった」と作品への思いを語った。

 

東北で聞き集めた野生動物にまつわるエピソードを人間側、動物側から描いた大型の立体作品シリーズの展示ブースでは、ミロコマチコさんがスタッフと共に物語を朗読。来場者はさまざまな角度から作品を見詰めながら物語に耳を傾け、作品の世界に浸っていた。

 

父親と一緒に来場した名瀬小学校4年の米田花さん(9)は「奄美の山の動物の絵を描くのが好き。(The倉庫の)入り口の大きな竜の作品が色がきれいで気に入った」と話していた。

 

展示期間は6月25日~9月29日。時間は火、木以外の午後1時から同5時まで。入場無料。